詠み人知らず
EDF5 12月7日!MHW 1月26日!無双8 2018年初頭!
電撃文庫・12月の感想1
■橋本 紡×山本 ケイジ『半分の月がのぼる空⑤』  ★★☆☆☆
半分の月がのぼる空⑤穏やかな日々が、裕一と里香に訪れようとしていた。葛藤や迷い、そして苦しみを
乗り越えた末にようやく掴んだ、当たり前の日常。それは何よりも大切な温もりだった。
そんなある日、裕一は夏目に病院から連れ出された。向かったのは静岡県浜松市。
かつて里香が、夏目が、過ごした場所だ。そこで裕一を待っていたのは――。
ちょうどそのころ、山西の下らない陰謀により、司とみゆきは大変な事態に突入し・・・!?

里香の病気はもう一生治らない。いつ死ぬか分からない。これは既に分かっていた事実。
だから裕一も読者もある程度の覚悟を決めた・・・はずだったんだが、「お前はそれが
意味するものを全然分かっていない」「ずっと一緒にいよう」なんて言葉を軽々しく使うな、
とばかりに“現実”を突きつけられる、そんな巻です。

夏目が浜松へ連れて行った理由。それは里香と同じ病気を患っている人とその周りを
見せたかったから。「お前はこれからこの夫婦と同じ道を歩むことになるんだぞ」と言う事ですね。
裕一は、自分の覚悟だけでなく、そんな里香の思いも背負わなくてはならないんだ。
でも覚悟を決めた裕一は強かった。自分がまだガキで、今分からなきゃいけない事の
殆どを分かっていないと自覚してても尚、里香へのゆるぎない想いを夏目にぶつけた。

ネコに詳しい事を問われ「近くに詳しい奴がいたからな」と答えた夏目で、4巻を思い出して
ウルっときた人は多いはず。これ小夜子さんのことですよね・・・。最初はキチガイ医者として登場し、
裕一の邪魔ばかりしていたけど、3巻、4巻では少しずつ裕一を認め始めて、5巻で裕一に里香を託すと
決めたのですね。自分と小夜子さんとのような轍を踏ませない為に(つд`)

最大の見せ場は里香の母と裕一の会話シーンだろうな。彼女の言葉は夏目より更に重い。
彼女も同じ経験をし、人生の先輩でもある。「里香は長く生きられないと思います」と言われ、
「覚悟を決めている」という裕一に対し「よく考えてください。貴方はまだ17歳でしょう。これから進学、
就職もある。その度に里香は貴方の足を引っ張ります。里香は遠くに旅行に行く事も出来ないし、
一生病院の中で生きる事になる」と言う。最後に「貴方には夢があるでしょう。里香はその夢を
すっかり潰してしまうんですよ?」「辛いですよ。貴方が思っているより・・・ずっと、ずっと辛いですよ」と経験者だから言える言葉を紡いだ。夢や希望なんて人が人として生きる糧みたいなもんだ。
それがないなんて、何故人として生まれ生きるのか、その答えの1つを失うといっても過言ではない。
少し下卑た話になるが、夏目や彼女の言葉の裏には「デートに行けないぞ。誕生日にケーキを
喰って祝う事も出来ないぞ。結婚式もあげられないぞ。体を重ねる事も出来ないぞ」と
言われている事に等しい。こういった下卑も含め、若干17歳で全てを背負って、
100%の覚悟を決めるなんてそう出来るもんじゃない。逆に17歳だからこそできたのかもしれないが。
でも、裕一は「この手は何かを掴む為にある」を信じ、掴むモノを里香だけと決めた。
他は全て捨てると決めた。裕一かっこいい。嗚呼!それに比べ何と俺の器の小さい事かw

所で、浜松の場面に出てきた石川さんはモデルがいるそうだ。その人もまた同じ病気を患っていて、
橋本先生曰く「こんないい加減な自分を親友と思ってくれていた、親より大事な親友」なんだそうな。
彼は、橋本先生がこの5巻を書き終えた頃、27年間にも及ぶ闘病生活に終止符を打ち、
旅立ったという。それ故今回、ここら辺の話が凄くリアルに感じた。

婚姻届のくだりは面白かった!でも司や裕一ってまだ17歳だよね?w
2枚の婚姻届はまだ裕一とみゆき手の中ですよね。恐らく6巻の伏線なんだろうけど、
これを里香が目にした時の反応が今から楽しみです。奥義ツンデレが炸裂するか!?w

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電撃文庫・11月の査収物
和ヶ原 聡司×黒銀『ディエゴの巨神』
入間人間×のん『安達としまむら⑦』

『しまむら』続くねぇ。最初読んだ時は、すぐネタギレしそうな内容だったけど。流石プロかw
ここまで続くとアニメ化の可能性も・・・?一部の豚さんが好きそうな内容だし。

ラノベ作家目指すやつは『なろう』で書いてた方がいいよな、出版社の新人賞とかもういらんよね
そうなんだよな。権威とか名声とか賞金を気にしないのであれば、ネットで連載してる方が楽っちゃあ楽。
こっちの場合、厳しい審査無し(審査を終えて)に向こうから勝手に見つけて声かけてくれる・・・事もある。
そんな中でも、毎年数千の応募がある電撃大賞はさすがだけどね。
漫画は一足先に同人やWEBでのUPの比重が大きくなってて、出版社がオンラインで連載させてくれる。
ガンガンオンラインなんてまさにそれ。今日日、「持ち込み」なんてしてる人少ないんとちゃうかな。

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電撃文庫・11月の感想1
■柴村 仁×放電映像『我が家のお稲荷さま。④』  ★★☆☆☆
我が家のお稲荷さま。④クロネコ便でやってきた包帯ぐるぐるの少女・シロちゃんが
高上家からいなくなって数日が経った。放課後、透が教室に残っていると、
真っ白な衣をまとった女性が突然現れた。そのヒトは、鬼の許に戻ったはずの
シロちゃんだった・・・んだけど、どうもシロちゃんっぽくもなかった。
なぜなら、ぐるぐる包帯巻きだったその服はスケスケのヒラヒラになっていて、
閉じていた瞳は真紅に輝いていて、隙間から見える肌には奇妙な紋様があって・・・。

3巻からの続きー。最後シロちゃんを退場させたのはなかなかの判断でした。
このまま“家族”になってしまうと透が成長したって事が薄くなっちゃうしね。
これで透は二度“家族”を失った事になるわけですが。でも死んだわけじゃないから、
後で“家族”として帰ってくる可能性もあるかも・・・?ほのぼの路線が売りだしね!

鬼関連の複線は回収しつくした感があるので、次は新しい話っすね。
ただ、最大の伏線である宮部さんのことにはノータッチ。気になる~。
とりあえず人間ではないわな。妖怪さんなのか神さんなのか。

玉耀がまさかアレだったとは。そりゃ復讐したくもなるわな。
それを知り、嗜めたクーが非常に可愛く・・・あ、いやかっこよかったです。
クーは高上家でほのぼの~を望んでいるんだなー。他にも兄弟(姉妹)がいるって
話をしてたから、これから出てくるのかも?神族との因縁も深いみたいだし。

六瓢ちゃんもいい味出してました。警察に速度オーバーで怒られる土地神って・・・w
今回は、殺伐とした『お稲荷さま』の世界に救世主が!って役回りだった気がする。
“いい人”が多いこのシリーズ。やっぱ好きだなぁ。

恋愛パート(?)では愈々昇が天然キャラだったコウの隠された魅力に気づき始めた。
次回いよいよ昇×コウ×佐倉さんでしょうか。あ、宮部さんも関わってきそうだ。
昇はモテすぎ!作中内クラスメイト曰く、モテ期らしい。殺意を抱く事を禁じえませんw

佐倉さんにはコウや宮部さんの事で勘違いキャラを炸裂させて欲しいですね。
透の成長っぷりは毎回描かれている様な気がするけど、昇の方は透と比べると
見劣りしてしまうなぁ。仮にも当主だからもっとメインに持ってきてもいいような。
「昇メイン=佐倉さんメイン」だと思うので4巻はその方向でお願いしたい!
不遇なヒロイン(かな?)にもっと光を!タマゴの大安売りに
負ける(昇は主夫役)ヒロインなんてダメだよ!w

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電撃文庫・10月の感想1
■甲田 学人×翠川 しん『Missing⑫-神降ろしの物語-』  ★★★☆☆
Missing⑫-神降ろしの物語-「・・・ねぇねぇ、トモ。知ってる?あのケータイの噂。
あ、知らないんだ?ふっふっふ。私ねー、聞いちゃったんだ。
ケータイの怖い話。そう。あのねぇ、ケータイって電波でしょ?
だからね、ときどき悪い電波も拾っちゃうんだって。
死んだ人の声とか、ヤバいやつ」
聖創学院をむしばむ多すぎる数の怪異・・・
その先に待っているのは、“魔女”の望む世界なのか。

Missing最終章だそうです。ケータイのネタは最近の流行りなので、
いまいちインパクトが足りないと思っていたんですが、そこは甲田センセ。
甲田節炸裂で面白かったです。とは言うものの、
まだ「神降ろしの物語」の序章なので、これからに期待です。

個人的に一番面白かった『首くくり』や『合わせ鏡』級の作品を書いて欲しいですな。
典子が悲鳴をあげながら、鏡のかけらを自らの目の中におしこむあのシーンは未だに・・・w
序章なのでそれほどくる描写はなかったけど、あえてあげるなら“魔女”の血を
啜る“使途”のシーンと、ユリが“着信”するシーンかな。この作品って、ゲストキャラは
基本的に死ぬけど、ユリも最後で消えてもうた。トモも多分・・・?

レギュラーキャラだとある意味達観した俊也と“魔王様”空目はいいとして、
亜紀はまたなんかやらかしそうな雰囲気。“出来損ない”になる可能性もあるし・・・。
稜子と武巳はどっちか死にそう?武巳は“魔女”曰く“追憶者”らしいが、
追憶するのか、されるのかで違ってくるよなぁ。いまは摩津方に手を貸してるけど、
それがもとで折角両思いになれた稜子と仲違いするような気もする。

今回詠子の幼少時代と、“魔女”が望む世界はどういうものなのかが明らかになった。
あの恐いまでの無邪気さは幼少時代に培われたものなのかと納得。
文芸部の面々と詠子はどう決着をつけるのか。今のところ圧倒的に
詠子に分がありそうだが・・・。ラストまでもう一息!

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電撃文庫・10月の査収物
成田 良悟×ヤスダ スズヒト『折原臨也と、喝采を』
鎌池 和馬×真早『最強をこじらせたレベルカンスト剣聖女ベアトリーチェの弱点 その名は“ぶーぶー”③』
神田 夏生×麦春 あやみ『狂気の沙汰もアイ次第』

かまちー先生の刊行ペースがおかしい。ギネスでも狙ってるんかw
ラノベのアニメ少なくなってきとる気がする。なろう勢は同ジャンルが多いから、
ここでこそ商業勢の力を見せる時なのでは。まぁ、商業勢もなろうっぽい作品増えたけどw

電撃文庫のラノベアニメのメインヒロインは何故に途中から空気なるのか?
電撃文庫のっつーより、長く続く作品はこうなりがちなんじゃないかな。
話が進むと当然新しいキャラ(ヒロイン)が出てくる。出てくると、これまた当然そのキャラに
スポットライトが当たる話が描かれる。そうなると必然的に元からのヒロインは影が薄くなる。
キャラってのは「最初から描かれているキャラが作中で一番とは限らない」からな。
最初から100点満点のキャラしか出てない作品なんか殆ど無いっしょ。
後から思いついたキャラ、ストーリーの方が良い例なんて沢山であるべ。

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電撃文庫・9月の査収物
川上 稔×さとやす(TENKY)×剣 康之『OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハト③』
入間人間×フライ『いもーとらいふ〈下〉』
松村 涼哉×竹岡 美穂『おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界』
高村 透×p19『クロバンス戦記 ブラッディ・ビスカラ』

遂にラノベ原作のアニメが減りつつあって、ちょっと元気がなくなってきてる気がする。
下降線気味な昨今だが、読書の秋っつーし、我々読者が盛り上げて良作を掘り出さないとなw

ラノベ作家・鎌池 和馬氏、ついに3年目に突入の25ヶ月連続刊行!!凄すぎいいいい!
地味に物凄い事やってんな。しかしこれだけ出すと、内容を読者の見る目が厳しくなるな。

リゼロ、このすば、オバロ、ダンまち、お兄様、なろう作品アニメ化で成功しまくってるけど、次アニメ化しそうなのってなんだ?
なろう作品つーより、それをちゃんと出版社がブラッシュアップして出してくれるんならどこ出身でもええわ。
出版社やレーベルってのはこういう原石を磨く為に存在しているのに、磨かず抱えて、そのまま出すっつーレーベルが多い印象。

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電撃文庫・9月の感想1
■出海 まこと×ヤスダ スズヒト『鬼神新選③ 東京篇』  ★☆☆☆☆
鬼神新選③ 東京篇明治の初め。戊辰戦争を生き延びた元新選組二番隊長・永倉 新八は、
新政府の岩倉 具視に新選組局長・近藤 勇の首級捜索を依頼された。
だが、京都で近藤の首級を捜索する新八の前に現れたのは、
死んだはずの土方、原田、沖田だった。魔人と化した元同朋を追いかけ、
舞台は東京に。近藤の地元・調布龍源寺にて土方の部隊に囲まれ
死を覚悟する新八。その彼を助けたのは記憶を無くした斎藤 一だった。
果たして斎藤は敵か味方か。そして、近藤たちの真の目的は何なのか? 

○日本護ります派
永倉、斎藤=死人ではない、この時代生きてました。斎藤は諸説ありますが。
土御門 メイ=帝から日本を護るよう仰せ付かった幼き陰陽巫女。京都弁が可愛いw
篝炎=岩倉の身辺を探らせる為に旧松前藩主から派遣された御庭番衆のくノ一。

○日本転覆させます派
近藤、土方、沖田、原田=四人とも死人、アンジュによってふっかーつ。テラツヨスw
シスター・アンジュ=仏皇帝のルイ・ナポレオンから直々に派遣された妖術使い。巨乳。
市村 鉄之助=函館まで土方に付き従った実在した新撰組隊士。
         土方の死を国元に伝える為に多摩へ帰り、戊辰戦争を生き延びた。
         結構有名なあの某新撰組漫画の主人公はコイツです。
中村 半次郎=実在した旧薩摩藩の凄腕剣士。流派は示現流で、某るろうにも
          真っ青の抜刀術が得意だった。最期まで西郷に師事し西南戦争で戦死。

○どっちの勢力なんだよ派
岩倉 具視=明治政府の官僚ではあるが、きな臭い。公家出身のおじゃる丸。
服部 半蔵=岩倉お抱えの忍者。家康に仕えた史実の半蔵ではない。最強の忍に
        冠せられる名を代々受けついでいる存在。つまり死人に非ず。テラツヨスw

今巻で敵味方両方の主力メンバーが揃ったかな?
戦力的に見て、どうみても護ります派に勝ち目はないわけだがw
アンジュ、半次郎の目的もはっきりして、それから考えると今後、
黄泉還った死人達は利用されるだけ利用されてポイされる気が。

俄然面白くなってきたー・・・んだけど、何で評価が低いのか、と。
理由は圧倒的な薄さと刊行ペースの遅さ。今回も200P足らずと薄すぎる。新型PS2並w
この薄さで刊行ペースが1年以上とかありえないから。これがなかったら高評価なのに。
あとがきに「自分が書くとこのペースが普通」みたいな事を書いてた。こらこら;;
当時の風俗の描写を織り交ぜての剣戟物になってて面白いんよ。絵も大物使ってるし、
この刊行ペースでも、編集部は3巻出してくれるんだから作者はもっと頑張ってくれ!
内容がいいだけに余計惜しまれる。4巻はいつになるだろう・・・?(´・ω・`)

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電撃文庫・8月の査収物
古宮 九時×森沢 晴行『Babel -異世界禁呪と緑の少女-』
成田 良悟×エナミカツミ『バッカーノ!1935-D Luckstreet Boys』

電撃は数年前からいわゆるクソラノベ系の作品が増えてきていたんだが、
ここにきて戦記モノやハードボイルド系の作品がまた出始めてきている。
個人的には嬉しい傾向だが、クソラノベ系統は頭打ちになってきちょるんかね?電撃だけ?

あとはホラーと熱いバトルモノ、あと感涙する作品が増えてきてくれると嬉しいねんけどなw
特にバトルモノは最近見なくなった・・・と思いつつこれ書いてると、ふと、「嗚呼、バトル系はいわゆる“石鹸枠”
として生まれ変わったのか」と思った。いずれホラーモノも“石鹸枠”として復興するのだろうか・・・w

昨今の風潮として、「そのジャンルが本来持っているものが嫌われる傾向にある」からなぁ。
ラノベの代表だったバトルモノとか純粋なファンタジーは影が薄くなっていて、
文字通りライトでテンプレを改変した内容が重用される時代になってしまった。
ゲームにいたってもLvあげが面倒臭いだの弾避けがダルいだの、クリアできないから飛ばせるとかあるしw

ラノベの読者層って表紙が美少女じゃないと買わないもんなの?
少なくとも作者(文章)より、絵・表紙・タイトルの方が「最初は」重視されると思う。
本来ならラノベは小説なので、文章こそが命なんだけど、俳句や短歌ならまだしも、小説と言う長い文章で、
作家や作品自体の良し悪しを判断するのは難しい・・・というか、無理だからな。表紙買いする人は多い。

ラノベは「手に取ってもらわないと始まらない」から(そして「騒いでもらわないと進まない」)、
その為にタイトルや絵を重視(悪く言うとテンプレ)するのはある程度は仕方ない。
でも、それが最近では偏重しすぎてて、「悪く言わなくてもテンプレ」になっているのが現状。
本人や編集の意思は知らんけど、読む側からしたら「思考や努力の放棄」に映っちゃう。だから落ち目になりつつあるのでは?

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電撃文庫・8月の感想1
■ハセガワ ケイスケ×七草『しにがみのバラッド。⑨』  ★★☆☆☆
しにがみのバラッド。⑨真っ白な少女は、空にたゆたっていました。そこは、不思議なくじらが舞う世界。
忘れものの森。電波塔の上。海が近い街のどこか・・・。
傍らには真っ黒な猫の姿をした仕え魔がいました。
少女は、死神でした。それは、ひとびとの命を運ぶ存在。
真っ白な少女は、ひとびとと関わり、交わり、そして変えていくのです。
これは、白い死神と黒猫の、哀しくてやさしい物語。

薄っ!?200ページにも満たない9巻。俺には薄いとヤバいっつー脳内法則があるので、
嫌な予感がしたぜ。今回は『ニノ』『午後の猫』『金魚の泪』『ひかれる星の顛末』の4本。
前3本は哀しくてやさしい物語、最後の話はいつも通りモモに関するお話です。

『ニノ』はぶっちゃけるとネトゲーのデバッガーがネトゲ廃人になって逝ってしまう話。
まさかこの世界観でネトゲーが出てくるとは思わなかった。いや、『しにバラ』は基本的に
現代の日本(ぽい場所)を舞台にしてるようなのでこういう話がでてきても不思議じゃないし、
アリだと思うけど、最初は面食らったな。最初は「これはネトゲーの世界ではないですよ」
という感じのボカした書き方で、中盤からバグとか、“誰か”とか、NPCとか「あれ?」と
思わすような単語を並べて、実は・・・というカタチで話は進んでいった。途中、主人公は
同じバイトの子と仲良くなるんだけど次第にネトゲーにはまりこんで、彼女とも別れ、
最後には廃人となって死ぬ(「死んだ」とは書いてないけどね)。映画版の『コナン』で
こーゆーゲームあったよな。人自身がカプセルに入って、ネトゲーを体験するってやつ。

まぁ、ネトゲーネタ自体はいいとして、モモをネトゲーの中に登場させたのは解せんのぅ。
あれは主人公の頭ん中に出てきたって感じなんだろうけど、彼のような存在にモモが
姿を表す必要があったのか。寧ろモモは「彼の前に現れたかったのか」とさえ思ってしまう。
結局何もしなかったし。モモは死神だか「あんたもう死にまっせ」はモモの仕事じゃないぞ?

主人公の「もうどうでもいい」な生き方を見ていると、今回の話は“救い”がなくても
別に良かったとは思うが、ネトゲーという現実じみたネタを持ってきただけに
『しにがみ』の世界では現実離れした感が否めない話だった。
ぶっちゃけ「なんだこれは」というのが一番の感想。

『しにバラ』はテーマん中にMemento mori(=いつか来る死について考えて生きる)が
あると思うんだけど、3話目の『金魚の泪』はそれに近い話だったかな。9巻の中では
一番『しにがみ』らしい物語だったと思う。好きだった男の子が余命幾許もなくて、
自分の気持ちを伝えられず、無為に時間を過ごし“別れ”を待っている女の子が主人公。
夕闇に染まる鉄塔なんてイイカンジじゃないスか~。俺ぁこういう直球ストレートな方が好き。
ただ最後がなぁ。もうちょっと書いて欲しかった。もしかしたらこの話はこれからの
巻に“リンク”して出てくるのかもしれないけどね。紙飛行機のくだりで
他の話と“繋げる”事も可能だと思うし。ちょっと期待しておこー。

主人公やヒロイン、およびモモ達の“絡み”が少なくなってきたことないスか?
主人公とヒロインは物凄く淡白な会話しかしてない。モモにいたってはなんかもう
単なる不思議系少女で、登場人物たちの話題にも上らず、『しにバラ』の主人公なのに
完全に浮いてしまっている。モモの存在価値が希薄になればなるほど、各短編の存在感も
ぼやけたものになってしまう。あくまでもファンタジー要素はモモのみとして、
他は今、この時間に起っているようなものを書いてもらいたい。

主人公の前へのモモの出現も必然性がなくなってきて「え?何しに出てきたの?」と思うことも。
モモの役目は死神であるにも関わらず、人の哀しくてやさしい物語に触れ、その人を更生させたり、
自分について改めて見つめさせ、自分を大事にする事の大切さを教えたり、“終わり”を温かく
包み込んであげたりすることだと思うんだけど、最近のモモは殆どが完結してしまってから
出てきているような気がする(または物語り自体が完結しかかっている状態から始まる

ゴール間近に出てきても、出来る事は限られているし、主人公の気持ちみたいなものは、
既に達観した場所にあると思うんだ。これを動かそうとしてもなかなかそうはいかんよなぁ。
ダニエルの「ホントにお節介焼きなんだからなぁ、モモは」のような微笑ましいやり取りも、
虚しく響いてくる。俺はその「お節介焼きなんだからなぁ」の過程と、主人公とその周りの
人間ドラマ(恋愛なり別れなり)をハセガワ ケイスケっつー作家さんの筆力(?)で楽しみ
たいんだけど。ハセガワ先生的にはこれからどうしたいんだろう。新しい試みに挑戦したいのか、
このまま続けたいのか。『しにバラ』はあとがきも含めて、詩的に纏められているので、
俺のような低脳からすれば先生が何を考えているのか、言いたいのか掴みにくいです。
次回はちゃんとした「白い死神と黒猫の、哀しくてやさしい物語」を頼みますよ?
評価がちょっとアレですが、新人さんじゃないってことでどうかひとつ。

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電撃文庫・7月の感想1
■上月 司×むにゅう『れでぃ×ばと!①』  ★☆☆☆☆
れでぃ×ばと!①外見はばっちり不良、極悪ヅラの高校生・日野 秋晴が編入したのは、
学力よりもお家柄がモノを言う、元超お嬢様高校・白麗稜学院。
育ちがそんなに良い訳じゃないし、もちろん女子でもない秋晴が
白麗稜に編入したのは、学院に新設された従者育成科に入るため。
従者育成科というのはつまり、メイドさんや執事さんを育てるための専科な訳で・・・。
優等生の皮を被った極悪幼馴染みとの再会や、超ドジっ娘メイドさんやらと
組んずほぐれつの交流を経て、秋晴は立派な執事になれるのか!?
上月 司が贈る、ちょっぴりえっちなハイソ系禁断ラブコメディ、始動ですっ!

実は沢山女の子が出てきてラブコメをする、いわゆるハーレムモノは苦手(英会話だけでなく
何事も少人数制がいいです)なのですが、上月先生の前作が面白かったので買ってみました。
で、出てくるヒロインは猫を被った元庶民にして超名家のお嬢様(母親が再婚したから)、
高飛車ツンツン金髪お嬢様、ドジっ子メイド等など。良い意味か、悪い意味か捻りはありません。
激しく典型的です。俺はドジっ子はかなりイラっとくるので好きじゃないんだけど、
猫かぶり幼馴染は好きなのでプラマイゼロって事で。あとのヒロインはどうでもいいやw

朋美(幼馴染ね)の庶民Ver.の喋り方の時が可愛いね。朋美は庶民時代に秋晴を
玩具にしていたらしく、秋晴は頭が上がらないようだ。まさに主と執事の関係ですな。
朋美は「お嬢様ヅラしないといけなかった退屈な日々に終わりがきた!秋晴イジって
楽しい学園ライフを送るぜ~」なノリでセルニア(高飛車お嬢様)とくっ付け様と画策する。
そしてここでも典型的に秋晴とセルニアがくっ付いた事を想像すると「あれ・・・?
この寂しい気持ちはなんだろう。ま、いっか。これからが楽しみだ~」と感想を漏らす。
ここで1巻が終わるわけだが、1巻終了時点でセルニアにとっては既に「転校してきた無礼者は
気になるアイツ」だから、朋美も「アタシの玩具を取らないでよねっ!」となって、
早い段階で三角関係に入りそうだ。新キャラが出てくる可能性もあるけどね。
秋晴の子供の頃の夢(そんな恥ずかしい夢ではないと思うのだが。秋晴は恥ずかしがり屋さん
ですね)とか物語のオトし方への伏線があるので、ラストはある程度予想がつきそうです。

秋晴と同じ部屋の薫ってどう考えても・・・登場人物紹介欄で、男と女は別枠で紹介されてるのに、
薫は女性枠で「色んな秘密を抱えていそう」と紹介されています。これはもうアレしかないだろw
それにショタキャラは満って男がもういるので、ショタでもないよな。キャラ被る。
さっきも書いたように典型的に進む物語ので、別に隠すつもりはないようだ。俺はこれを
「ええ、お察しの通り男装の美少女ですが何か?今更そんなもん隠してもしゃーない。
この典型的素材を俺がどう料理するか、それを楽しみにしてて下さいな」と受け取りましたw

1章がかなり中だるみする。それは1章そのものが2章、3章と比べ異様に長いという理由だけ
ではなく、内容自体にも問題があるな。1章が転校初日を描いた話なんだけど、キャラ紹介である
学校案内が長すぎ。1章は冒頭の「お嬢様を押し倒して胸を揉んじゃった」の回想も兼ねている
んだけどそこまで80ページ・・・ちょっと長いスね。更にその中で「この学校はめっちゃ豪華な
つくりです」みたいな文章が入るんですけど、それも多すぎ。「もう分かったって」と言いたくなる。

関西弁の執事候補生が出てくる3章は面白かった。俺が関西人だからって訳じゃないんだけど、
こいつの登場で話に“動き”が出て、1巻が単なる登場人物紹介に終始するハメに
ならなかったと思う。それに執事候補生の癖に「体の半分はエロで出来ています」人間だったので、
これからのコメ部分の供給には問題なさそうだ。こいつは茨城出身で、イメージ作りの為に
似非関西弁を喋っているらしい。どんな発音なのか聞いてみたいな。最近、TV等に引っ張りだこの
某文化人が時々関西弁になるっしょ?あれ聞くとエンストを繰り返す車に乗ったような気分になる。
「なななななんだこのギコチナイ発音は!?」みたいな。この似非関西弁君はちゃんと
相手のことを“自分”と言っていたので、結構研究しているんじゃないかと好感を持ちましたw

これは『学校を出よう!』の1巻(特に前半部分)を読んだときの感覚と同じだ。
『学校を出よう!』も2巻から面白くなったし、これもそうなってくれると嬉しいな。
残念ながら『カレカノ』と比べるとはるかに面白くない。典型的なキャラのドタバタと、
登場人物紹介だけで1巻っつー上月臭がしない1冊でした。あとがきによるとこの作品の他にも
温めている作品があるとのこと。物語を完結させる力はある作家さんですので、
これを3巻程度で無難に完結させて、売れ行きが良ければそっちに取り掛かるのかな?

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