詠み人知らず
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漫画・4月の感想1
■綱島 志朗『オリハルコン・レイカル①』  ★★☆☆☆
オリハルコン・レイカル①作木 光明、20歳。フィギュアにハマり、生活費を道具に注ぎ込む貧乏大学生。
授業を手伝ったご褒美に手に入れたパテでフィギュアを作っていると、
何とのそのフィギュアがいきなり動き出したのだ。
そのフィギュアはオリハルコンと呼ばれる物質生命体で、
創主(作り手)の願いを叶える存在だという・・・。
ごく普通の大学生と、物質生命体オリハルコン。
2人の奇妙な共同生活が始まる・・・。

あらすじを読むと「何だ、薔薇乙女的な萌え漫画か」と思う人が居るかもしれないが、
そこはロボアクション描写に定評があり、自身も造形が好きな綱島先生。
この材料で、内容のない漫画など描きません。勿論エロというエッセンスありでw
ご存知の方も多いと思うが、綱島先生は昨年まで某出版社で漫画を出していました。
しかし「ロボに“人権”など無いのだよ」という漫画家・綱島 志朗を全否定するような
編集長の発言によって仲違いし、今回角川で再起をかけることになった。
そして再出発となるこの漫画もやはり“人権”が無いらしい人間ではない存在達が、
超大な魅力を振り撒き活躍する漫画だった。『オリハルコン・レイカル』は
これまでの綱島先生の思いの丈が詰まった漫画と言えそうだ。尚、諸々の問題の
原因となった『ジンキ』も角川で連載がスタート。ファンとしては嬉しい限りです。

この物語ではフィギュアも、木彫りも全て造形というジャンルでくくられています。
フィギュアと聞くと美少女を作るもの、とオタクの趣味と思う人がいるかも。
しかしそんなものではない、「物を作る」という事の素晴らしさが
漫画の中から伝わってくるのは、作者が作者だからでしょうね。
主人公・光明もまた自身の趣味を簸た隠しにする人間だった。
だが、オリハルコン、そして同じオリハルコンを持つ存在と出会って、
「作る」という行為から「創る」という行為を知った光明は、
争いが嫌いで優しい性格であるにもかかわらず、
何故オリハルコンが存在するのかを知る為に戦いに身を投じる。
少し格好良く言うと、この物語はパッとしない地味(これは光明が貧乏で
ちゃんとした服等を買えないという部分が大きいのだがw)な大学生が、
人生の岐路に立って、造形というものから己が進むべき道、
自分がやりたい事を見つける話である。オリハルコンを提供したヒミコや、
同じオリハルコン・ヒヒイロの所有者・真次郎が、光明の選択をYESでもNOでもなく、
彼の選択を尊重するあたりも、人生の先輩として彼をそういう目で見ているからだろう。
最も、その裏には何か狙いがあるに違いないのだが・・・。

光明がフィギュアから生んだオリハルコン・レイカル。
どうやら戦うことが使命(過去生きていた時代に関係あり?)だと認識しており、
事あるごとに「創主様!誰を殺っちゃいましょうか!」的なノリでハイテンション。
しかし、その意思と反比例するように非常にドジで天然な部分もある。
悔しいと泣くし、嬉しいと笑いもする。レイカルには色濃い“人権”を感じる。
猫に追いかけられて死闘を演じるレイカル、光明に命の危険が迫り奮闘するレイカル。
どちらも同じオリハルコンで、レイカルなのだ。コミカルな笑いのシーンと
シリアス、感動のシーンの入れ替わりが激しいのも魅力だと思う。
絶対に挫けぬ意思を持つ女性が主役、これは綱島漫画の大きな特徴だよな。

彼女がこんな性格だから当初抱いていたオリハルコン像は散ったが、
オリハルコンは眼前たる脅威であり、現にそれを悪用する人間もいる。
光明の性格故、自分から戦う事を禁じられているのに、
何があっても立ち向かっていくレイカルの雄姿は何とも健気だ。

レイカルが創られた目的は戦う事であり(らしい)、
戦う事自体が彼女の存在理由である。が、光明と暮らす内に
この現代においてはそれは必要ない事を悟るのだ。
ここからレイカルも光明のように自分探しの旅が始まる。
自分が在るべき理由とは何か、創主である光明の為に出来る事は何か。
レイカルによるその模索もこの漫画の楽しみの1つだろうな。
戦いの必要ない世界で彼女は何を見るのか。

一方、光明は人間であり・・・人間だから恋もするw
そこで登場するのが大学の華にして今作品のヒロイン・編森 小夜だ。
言い寄ってくる男をウザったく感じる毎日で、事あるごとキレる少々アレな
性格の女の子。どうやら何かしらのコンプレックスがあるようで、
化粧や派手な服で武装しているのはそれを隠す為であるらしい。
彼女も何か言いにくい趣味を持ってる・・・とか?造形関係だったり?
本来は黒髪のストレートと言う事なので、早くそちらを拝みたいものだw

そんなお姫様が恋をしたのが光明である。普段なら気にも止まらない存在の男だが、
偶然光明がレイカルと共に戦っている姿(レイカルは見てない)を目撃してしまう。
更に自分をストーキングしていたキモ男を光明が(レイカルと共に)撃退してくれた
事により、王子様として恋焦がれるようになる。まさか自分が惚れられているなんて
微塵も思っていない光明。1巻ではこれ以上の接触は無かったので、2巻以降、
オタクの不器用な恋愛も楽しめそうだ。いや、まぁ光明は顔はいいんだけどねw

『ジンキ』のような凄惨な性描写は(今のところw)ない。
でもロボと女性の肢体を描くのが巧い綱島先生。
そういう見た感じの部分では飽きさせる事は無さそうだ。
それでいて、バトル分は『ジンキ』に劣らないくらいあるのでお勧め。
まだ序盤ではあるが、今後新たなオリハルコンも出てくるだろう。
レイカルが生きていた時代、レイカルが戦う本来の理由、
ヒミコ達が光明へ近づいた理由、そしてベイルハルコンという存在。
光明の生き方と共に、これらの謎がどう明かされていくのか楽しみだ。
●用語のようなもの
○ハウル
オリハルコンが使用出来る力。平たく言えば魔法とか、気である。
自身の意志の力により如何様にも用途を変える事が出来る。

○オリハルコン・レイカル
光明がフィギュアから作ったオリハルコン。喜怒哀楽が激しく、まだまだ幼さが目立つ。
【ハウル】を扱えない等オリハルコンとしての当たり前の事が出来ない不思議な一面も。
元がフィギュアな為に、オリハルコン含有率は40%と少なく、
その分他のオリハルコンに比べると戦力は弱いと言わざるを得ない。
しかしそこは綱島漫画伝統、絶対に挫けぬ意思を持つ女性の登場なのである。

○ナイトイーグル
レイカルの【アーマーハウル】。性別は一応メス。
レイカルは彼女(?)と合体することでナイト・レイカルとなり戦力がUPする。
しかしレイカルには全く懐いておらず、光明の命令でしか合体させてくれないw

○ナイト・レイカル
ナイトイーグルと合体したレイカル。全ての能力が10倍になる反面、
消費する力も大きく10分ほどしか合体出来ない。また飛べないという弱点がある。

○オリハルコン・ヒヒイロ
木彫師・削里 真次郎を創主に持つオリハルコン。【アーマーハウル】化した
カクリムと互角に戦うなど戦闘能力は非常に高い。世話焼きな性格のようで、
レイカルを妹の様に思っている様子。名前の由来は恐らくヒヒイロノカネ。

○オリハルコン・カクリム
創主を持たない(?)特殊なオリハルコン。好戦的で、自分勝手な性格をしている。
生まれたてのレイカルの力を狙って度々襲ってくる。レイカルを混ぜ物と呼び蔑んでいる。

○ツインキャンサー
カクリムの【アーマーハウル】。性別は一応オス。
カクリムとは正反対に優しい性格で、聞き分けも良い。
またナイトイーグルとは違い、カクリムとはいつでも合体してくれるw

○キャンサー・カクリム
ツインキャンサーと合体したカクリム。ナイト・レイカル同様能力が10倍になる。
脚のブレードが主武装で、合体していられる時間は30分以上と長い。

○低級オリハルコン
心を持たないオリハルコン。創主だけの命令だけを聞く殺人マシンのような存在。
不純物が60%混ざるとなるようだが、何故レイカルがこうならなかったのは謎。

○ベイルハルコン
オリハルコンが人を殺め変質してしまった存在。
こうなると人を殺し生気を吸収しないと生きていけなくなる。
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