詠み人知らず
おろろ~
電撃文庫・12月の感想1
■古橋 秀之×緋賀 ゆかり『ある日、爆弾がおちてきて』   ★★☆☆☆
ある日、爆弾がおちてきてある日、空から落ちてきた50ギガトンの‘爆弾’は、なぜか昔好きだった
女の子に似ていて、しかも胸にはタイマーがコチコチと音を立てていて――。
「都心に投下された新型爆弾とのデート」を描く表題作をはじめ、
「くしゃみをするたびに記憶が退行する奇病」「毎夜たずねてくる死んだガールフレンド」
「図書館に住む小さな神様」「肉体のないクラスメイト」などなど、奇才・古橋 秀之が贈る、
温かくておかしくてちょっとフシギな七つのボーイ・ミーツ・ガール。

この小説のテーマは2つ。1つは勿論“ボーイ・ミーツ・カール”、そしてもう1つは“時間”です。
この“時間”が巧く使われてる。それぞれ色々な“時間”のカタチ(ex.ループ、時間差、逆行)を
もとに書かれてます。7つの短編を面白かった順に並べると『3時間目のまどか>
出席番号0番>ある日、爆弾がおちてきて>むかし、爆弾がおちてきて>
恋する死者の夜>トトカミじゃ>おおきくなぁれ』ですね。

『出席番号0番』はハッピーエンドでいいのかな。結局、出席番号0番のあの子がどんな姿を
しているのか分からなかったけど、最後のオチがよかった。ドラマ化できそうな内容。
0番の子が最後まで男の子か女の子か解らせない、ボカした書き方も良かった。

『ある日』はのっけから切ない内容でした。多少やり逃げ感は否めませんが、素直に感動した。
高校生活3年間の間に1回しか話した事の無かった男の子の前に女の子が現れるわけです。
何でそんな男の子の前に現れたのか。ってか何で爆弾で現れたのか。読んだ人なら
納得出来ますよね。時間による人の絆の濃さってのは、人によって区々なんだなぁと思った。
あと10年生きる人と、あと10日で死ぬ人がいたとして、1日の重みは違うわけです。
この子はそんな子だったんです。だからたった1回しか会話しなかったその男の子との
出会いでさえ何十年分の思いが詰まっていた訳ですな。俺らは、1日無為に過ごしても何とも
思わないが・・・昔の人は本当に頭がいいですね。「時は金なり」まさにその通りです。

これら作品の中で、異色を放つのが『恋する死者の夜』です。
これは“ループ”をもとに書かれているんですが、「天国と地獄って何?どこにあるの?」に
1つの答えを出した作品じゃないかと。しかもかなり当たってるっぽい内容・・・。
この作品には“全く見えない絶望感”が隠されてます。いや、ホント気付きません。
最後の主人公の独白で「あー・・・」と来るくらいです。「天災は忘れた頃にやってくる」
とゆー言葉がありますが、忘れる以上に、全く知らない間に知らないトコで、
知らない出来事が侵攻している怖さの方がアレですよ、みたいなものを感じました。

この作品って色々隠された(?)ギミックがありますよね。目次にある時計の時間は、
その物語における重要な時間で、『ある日』なら彼女が逝ってしまった時間、
「まどか」なら3時間目の時間、『恋する』なら彼女がやって来る時間、と。
また、鏡文字で会話してた『まどか』だと主人公の名前が林田 京一。
鏡で反転してしまっても読める名前ってことではないかと。

“ボーイ・ミーツ・カール”が好きな人には絶対お薦め。評価は星3か4で迷ったんけど、
短編だし1作品ごとに評価つけて、その平均を書こうってしたらこうなりました。
続き物も面白いけど、たまにはこういう短編集読むのもええなーと思った中の人でした。
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コメント
この記事へのコメント
短編も・・・
実は短編好きです。
今度探して読んでみようかと思いますわ
2005/11/17(木) 21:39:16 | URL | 牛(GYUU) #-[ 編集]
面白かった~
ウチでは☆3つにしましたが、ちゃんとしたレビューサイトさんでは、
軒並み高得点なのでかなりイケると思いますよ~♪
2005/11/18(金) 00:07:45 | URL | 霧塚 幽 #-[ 編集]
実はこういう見方する人もいるんです
初めまして、そるです。

なんかイロイロTBしてしまいまして、目障りなら削除してくださいませ。

まあ、こういう読み方と捉え方するヤツもいるんだなーと思っていただければ、幸いかと。

ではでは。
2005/12/13(火) 23:46:59 | URL | そる #-[ 編集]
いえいえ~
ここはTBでもコメントでも何でも来いのですで。こちらこそ宜しくです。
実はそるさんのサイトには、先ほどラノベ365日さんから飛んで、
自分のブックマークにいれたばっかりだったりします。

見方は人それぞれだと思います。追記の部分には100%同意でありますよ。
そうです、たかだかラノベの感想なのです。気楽に書き、気楽に読むのが吉です♪
少なくともウチは感想ですので、「自分はこう思いました」だけなんスよね。
批評はでっかい有名サイトさんがしてくれます。自分は批評書くだけの力ないっスw
2005/12/14(水) 12:18:34 | URL | 霧塚 幽 #-[ 編集]
わわ、感激です
再び失礼します、そるです。

>実はそるさんのサイトには、先ほどラノベ365日さんから飛んで、自分のブックマークにいれたばっかりだったりします。

うわ、こんなラノベ感想の皮をカブったブログの面汚し(うぉ)をブックマークに入れていただけるとは…!
それなりに年期も入ってるし、読破数も多いのですが、いかんせん感想にまとめる時間があまりなく週に2.3冊がいいとこですよ(--;
もちっとサクサク書きたいんですけどね…

>見方は人それぞれだと思います。追記の部分には100%同意でありますよ。

これは俺のトコを見て、思ったまま書いてやろうと思った人のサイトがちょっと荒れそうになったのにショボーンとなった際に追記しました。エロゲ(ギャルゲ)厨、ラノベ厨はこまったちゃんが多くて(滝汗


>少なくともウチは感想ですので、「自分はこう思いました」だけなんスよね。

激しく同意。究極的に人の感想なんてどうでもいいんだと思ってるんですけどね、参考にするならまだしも。自分がどう価値を感じたかで充分ではないかと。

>批評はでっかい有名サイトさんがしてくれます。自分は批評書くだけの力ないっスw

自分のトコも批評のつもりはないです。読んだ時、読んだ後に何を感じたか、どう思ったのかを徒然なるままに書いているだけなんですー。ただめちゃくちゃ正直に書いているので特定の方には不愉快かもしれませんけどね…でも他人の顔色伺いながら書くつもりがないも本音です。

おかげさまでこれからも、がんばれそうです。よかったら、また見に来てやってください。

このサイトをブックマークに追加しますか?
→YES
  NO

ではでは(^_^)ノ""
2005/12/14(水) 23:34:02 | URL | そる #-[ 編集]
あいー
>>週に2.3冊がいいとこ
自分は月に2,3冊ですから(つд`)
年末年始はかなり読めそうですので頑張ります(`・ω・´)

>>YES
地に頭をこすりつけつつ御礼申し上げまする。
こちらこそ、これからもよろしくですー。
2005/12/15(木) 22:20:43 | URL | 霧塚 幽 #-[ 編集]
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