詠み人知らず
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漫画・5月の感想1
■ふじつか 雪『金魚奏②』  ★★★★★
金魚奏②女子高生・平山 飛鳥と耳の聞こえない大学生・今村 雅生。
困難を乗り越え、2人は遂に恋人同士に。
飛鳥は、雅生の大学に通うため受験勉強に励む。
が、さらに待ち受ける恋の試練は、海を越えたせつなさを2人に課す!?
描き下ろし番外編も収録して、感動のフィナーレ!

『金魚奏』は羽ばたく鳥のように前向きな少女と、自分だけの小さな世界で生きる少年が出会い、
小さな金魚鉢の中で、2人が互いのに距離を縮めつつ一生懸命に生きようとする物語。
やはり今回も、頭のてっぺんから爪先まで純度100%の愛で包まれていました。

「わしの みかたになれば せかいのはんぶんをやろう」
→はい
 いいえ

「ねんがんの アイスソードを てにいれたぞ!」
 そう かんけいないね
→ころしてでも うばいとる
 ゆずってくれ たのむ!

などというように闇属性持ちの方は本を手にするだけで、炎上してしまうピュアさです。
普段、毒々しい付き合いや、反吐が出るようなニュースばかりに触れているので、
特に遠恋のくだりがヤバかった。俺ぁの人生ってばなんてタールなのかしら。
頭ん中ではタイナカ サチさんの『会いたいよ。』がエンドレスでしたよ。
こんな水晶色の恋をする人ってまだいるんですね。ボク、憧れちゃうなぁw

飛鳥は何とかして雅生のいる大学へ進学しようとします。
記念日を祝う、面と向かって愛していると言う等と言う行為が苦手な雅生は、
受験勉強で会えないと嘆く飛鳥に、安物の指輪をある意味死ぬ思いでプレゼントします。
安物!ここがいいんですよ!安物で感動してくれる人こそ素敵な女性なんです!w
んで、また肌身離さずつける飛鳥が可愛いんだわ。最強の指輪で飛鳥本人も驚くくらいの
パワーを貰った彼女は見事合格。両手に溢れんばかりの愛で人を包むべく福祉の道を歩き出す。

受験休みの初詣の帰り、飛鳥と雅生は交通事故に遭う。
ここは「ああ、雅生は耳が聞こえないんだった」と読者が現実に引き戻される瞬間。
漫画の中には交通事故のシーンが数あれど、他とは少し角度の違う見方が出来るシーンですね。
俺も2人の仲があまりにも順風満帆だったので、2人の間にある障害を忘れかけていました。
障害を持つ方は、少し油断したら普段周りにあるものが凶器になってしまうんですね。
幸い2人は大怪我を負う事は無かったが、飛鳥は雅生を庇って左腕を骨折してしまう。

飛鳥は彼の重荷になってはいけないと隠そうとする。
雅生は自分がどれだけ彼女を想っているか知って欲しいと思う。

骨折の件を通して、互いが互いをどれだけ想っているかを、そして何故「自分は
どうなってでもいいから相手を救いたい」等と愚かな想いを抱いたのだろうと感じる。
1つの1つの苦難が、2人の距離を確実に縮めていく感じが巧く描かれていると思いました。
何の迷いも無く心の底から、自分の体だが犠牲になっても護ると言い合える仲って最高やね。
簡単そうで、言える事じゃないし、更にそれを本当に実行すると・・・なぁ?

耳が聞こえないという、手話や筆談だけでなく言葉の発音もしっかりしている雅生は凄い。
作中でも触れられていたけど、彼は本当に努力したんだと思う。目でも片方が見えなくなると、
対象物との距離感が掴めなくなるスよね。俺の場合もすっげー苦労した。普通に歩いているのに、
ポールや電柱とぶつかんねんもん。今では片目は回復して、距離感も戻りましたけどね。

金魚鉢の中で2匹の金魚が、キスを出来るくらい距離が縮まったと思ったのに・・・
金魚鉢は大きな水槽になり、片方の金魚ははるか7000キロ遠方へ旅立ってしまいます。
ここから大学生編に入るんですが、いきなり2人は遠距離恋愛です。しかも豪州。
1人になったピカピカの1回生飛鳥には、先輩たちの魔手が・・・!w
大学と言えば(?)コンパです。当然飛鳥にもお誘いがきますが、
そこは雅生の弟・泰生がカンナバーロも吃驚の鉄壁ディフェンス!ナイスだ弟クン!w

英語系講義が苦手な飛鳥を見てると、自分の大学生時代を思い出したわw
英語系は何回か単位落としたからなぁ・・・ダメな人たちを哀れんだ教授陣が、
単位上げる為に急遽講義時間を作ってくれたり、鬼簡単なテストをしてくれましたw
因みに外国語系はスペイン語も取っててんよ?こう見えても当時はスペイン語を
喋れた(←過去形)んやで?だって喋れんと単位取れんかったからなw

雅生と離れて、遠恋とは単に離れ離れになることが苦しいんじゃなくて、
大事な人の“音”が聴けなくなるのが辛いんだと認識する飛鳥。
特に2人には“音”は重要でしたかね。俺らが言うのとは重みが違います。
太鼓の音、優しい声・・・雅生をあらわす“音”がする場所やモノに足を運べなくなった
飛鳥は太鼓を叩く事を・・・即ち、雅生の“声”を聴く事をやめてしまいます。
同時にどんどん前へ、狭い水槽から違う世界へ飛び出していく雅生を思い、
焦燥感に駆られた飛鳥は水槽の中を泳ぐ事すらやめてしまいます。

「彼女が立ち止まってしまったのなら自分が歩み寄ればいい」と豪州から電話をする雅生。
あー・・・これキたわ。つーか卑怯!ったく、年とると涙もろくなっていかんのぅw
だって、雅生は耳が聴こえないんだぜ?彼にとって電話なんて意味の無いツールなのに、
「彼女が立ち上がれるなら」と電話をかけたわけだ。無論、飛鳥は完全復活さ!
しかも声が聴こえないのに、飛鳥が今何を想っているか、どんな顔をしているかとか
分かるんだぜ?それだけ想いの強さがあるって事なんだぜ?闇属性は一発昇天だわw

そして最終話。空港まで雅生を迎えに行く為にちょーおめかしする飛鳥。
もうね、なんつーか、ご馳走様って感じですよ。幸せオーラにあてられますよw
でも色々あって空港では再会できず。ここら辺は漫画のお約束でしょうかw
あれだけおめかししたのに、結局最後は太鼓を叩く時の和装で、“鼓動”という“声”で再会し、
これからも2人の“声”を作っていくっつー終わり方はいかにもこの物語らしい。

作者はこの作品を作るにあたって、取材など色々行動したようだ。
健常者と障害者の些細な違いや、健常者なら気付かず素通りしてしまう点に注目してる。
そしてそれが登場人物の心情を、読者により強く印象付ける一役を担っているように思えた。
補聴器をつける理由にあんなものがあるなんて、普通は気付かないよなぁ。
あそこに気付ける人が、本当の意味で思いやりのある人間なんでしょうね。

雅生に受験勉強中だったので、切りにいけず伸びてきた髪を褒められてから、
伸ばし始めた飛鳥が可愛いのなんのって。作中も1話ごとに少しずつ伸びてきてるんスよねー。
最終話は立派な大人の女性でした。こんないい子が幸せになれなかったらブチギレてたわw

飛鳥と雅生を取り囲む奴らも名言連発のマジでいい奴ばっかりで、
これで感動しなかったら何で感動するんですかと言う風な漫画だったなぁ。
「聴きたいけど聴けない」「伝えたいけど伝えられない」「見て欲しいけど見られたくない」
なんていう相反するもどかしい気持ちを、少しずつ、でも確実に乗り越えていく2人に
何か言葉に出来ない大切なモノを貰った気分です。だから本はやめられねぇ。
この漫画は飛鳥の4年間の軌跡を辿ったわけだけど、この先も読んでみたいのぅ。
非常に心が洗われる作品でした。感動作品リスト入りにしておかねばー。
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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

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