詠み人知らず
ぼくはくまたいよう!
電撃文庫・12月の感想1
■鈴木 鈴×かなたろう。『あんでっど★ばにすた!①』  ★★☆☆☆
あんでっど★ばにすた!幼馴染みである荻原 真尋と御船 冬子は【五法(ヴァニティ)】という
特殊な能力を行使する【五法相(ヴァニスタ)】と呼ばれる存在である。
そんな彼らの元に、【五法相】の集団【諮問機関(カウンシル)】の使者、
セフィラがやってくる。【五法】に関わる窃盗事件の捜査を依頼された真尋は、
セフィラの熱意に押される形でそれを引き受けることになった。
セフィラは事件の犯人が、【五法】によって造り出された不浄な存在
【不存体(アンデッド)】であると強硬に主張する。そして捜査の過程で、
彼らはひとりの少女に出会った。幼い外見と老練な物腰を併せ持つその少女、
リシュエル・ウィキシントンは、ある重大な秘密を抱えていた・・・。

『吸血鬼』の衝撃のラストで、読者の度肝を抜いた鈴木先生の新作。
現在進行中の『サンダガ』(3巻まで出てるけど・・・打ち切り?)より好きかな。
『吸血鬼』のことがあるから今回もドス黒路線せいくのかどうか気になるところ。
あとがきでは行くような、行かないような、どっちにも取れるような発言があります。
・・・『吸血鬼』も前半は白かったしな。これからどうなるか分からんぜ・・・くくく。
『サンダガ』もまだ3巻だし、今んとこ白確定作品は1巻完結の『海辺のウサギ』だけか!w

【五法】はその名の通り、5つに分類され(【五法】の歴史は作品参照)、
生物の知覚・認識を変化させる【識法(サーヴェイ)】、生物の精神・記憶を変化させる
【想法(コンジュア)】、生物の感覚・感受を変化させる【受法(プロフェス)】、
物理的な運動法則を変化させる【行法(エヴォーク)】、物体の組成・存在を変化させる
【色法(オルタ)】からなるらしい。真尋は【受法】、冬子は【行法】が使える。
前者は簡単に言うと、いわゆる第六感やサイコメトリー。ニュータイプ能力ともいうか?w
自分が認識できる事象への勘が運などの不確定・不安定要素なく発揮できるってとこかなぁ。
後者はサイコキネシス。重力抵抗を増減させたり、漫画に出てくる忍者みたいな動きが可能。

【想法】は対象への記憶の抹消や書き換え、洗脳などが可能な力。【識法】はよく分からんw
リシュエルの【色法】は凄ぇな。作中では壁を大気に変えたり、人体を石に変えたりしていた。
単純に比較すると5つのうち最強?彼女の「鉛を金に変える事もできるが、女の子の涙を
止める事は出来ない」って台詞が印象的だった。【五法】の中で代償として、
一番“人間らしさ”を失うモノなんかなと思った。俺なんか意志薄弱にして三日坊主故、
こんな力授かったらヒトではなくなりそうだ。まず、金の心配ねぇから仕事辞めるでしょ?
メシや服もそこらへんの石を変化させれば手に入るでしょ?掃除も消せば良いだけだし・・・
マジで人間がすることを何もしなくなるな。呼吸してるって事でギリで生物を保ってるくらい?w

真尋は終始流されるままに流されましょうな展開だったけど、これは朴念仁とか、
もともとのほほんな性格とかそーゆーだけなのか?真尋の力が【受法】なので、
「こいつ全部分かってて事を運んでいるのでは?」等と疑ってしまう。
セフィラが【廃絶十字】だったり、リシュエルが【アンデッド・ヴァニスタ】だった点に
ついては素直に驚いていたな。【受法】は自身が知らない事には、その影響は及ばないようだ。

ヒロイン冬子。金持ちのお嬢様で、口より先に手が出て、ツンツンで、素直じゃない子。
能力が【行法】なので恐らく戦闘要員。ただ、戦闘のプロのセフィラにはボロ負けしてたけど。
しかもリシュエルが【色法】であっさりセフィラを片付けてしまった。加えてリシュエルは
【不存体】だから死なないみたいだしな。ゲームバランスを崩壊させるキャラですねw

セフィラと真尋が窃盗事件の調査に乗り出すと、「(2人の仲が)心配だから」と、
お付の者2名をストーキング(=【受法】によってあっさり看破された。真尋はずっと
気付かないフリしてたけど)させるなど、作中、オジョーサマっぷりをいかんなく発揮。
ストーキングがバレて(最初からバレてたけどw)泣きじゃくるなんて可愛いじゃないのw
【受法】使いの真尋には、冬子が何をしようとも、どう言い繕っても、冬子が自分を
好きなことくらい見透かされて良そうだが。それが分かってて、あえてああいう行動を
取るとしたら真尋はかなりのキチクですね。彼にはまだ目覚めていない部分があるのかもw

今後も【五法】使いとゆー事で周りから敬遠されるの冬子にとって、色々共有出来る幼馴染の
真尋(彼が【五法】を使えるのはクラスメイトは誰も知らない。つーか、物理的な力ではない
【受法】が使えるという事を証明するのは非常に困難)との仲が切れてしまうことは無さそう。
だから彼女がゲストと真尋の仲を勝手に解釈、疑ったりする姿を微笑ましく読むのが、
2巻以降の正しい楽しみ方なのかもね。ああ、あと頭にちょこっとだけしかでてこなかった
やたら可愛げのある真尋の母親な。現実にはこんな可愛いオカンいねーと言いたくなるくらい
存在感ありすぎで、いつか(4巻くらい?w)主役を張りそう。何か秘密持ってるかもしれんし。

セフィラが正体を現した時には死の臭いが立ちこめたな。どうしても黒鈴木のイメージが
拭えないので「え!?こ、こんな片言可愛いを殺すのかよ!」と焦っちまったぜぃ。
セフィラはリシュエルの【色法】と彼女の仲間の【想法】で「自分は【諮問機関】に拾われた
孤児で、今はリシュエル預かりの身。【廃絶十字】であるという記憶を持たない女の子」として
生き長らえる事が出来たが、何も知らない・・・厳密には何もかも忘れてしまった、
あのあどけない笑顔に一抹の不安を覚える。これで真尋達はいつ爆発しても
おかしく無い爆弾を内包することになったと言えるので、黒く逝くのなら終盤で爆発させて、
涙無くしては語れない展開が・・・って出来ない事もない。でもあの子はあのまま
そっとしておいて欲しいです。片言日本語の恋敵っていいじゃない?w

『あんでっど★ばにすた』とは「アンデッドでもありヴァニスタでもある」
だという意味(単に「アンデッドとヴァニスタ」かもしれんけど)だと思うので、
今後はリシュエルが中心になるんかな?彼女のバックには【諮問機関】がいるから、
そこと【廃絶十字】との抗争に真尋達が巻き込まれるカタチになりそう?
何故、彼女が【不存体・瘴主】になったのか。物語の鍵を握っていそうな【造屍師】の行方は?
物語の終わりが見えてこないが、まだ1巻だしな。続きが出るのかちょっとアレっぽいけど。

絵師に関して色々言われてるけど、俺は結構好きだったり。
まぁ、中の挿絵はちょっとアレでソレだけど、SD化キャラは良いと思うよ?w
○五法(ヴァニティ)
いわゆる魔法のようなもの。素養がある特別な人間にしか操れず、
【零質】と呼ばれる「万物に含有される変質の可能性の結晶」を使用して発動する。
自分が扱える能力属性以外の【五法】を使用するには大量の【零質】が必要。
【零質】の変動は【五法】によってしか起こらない。

○諮問機関(カウンシル)
19世紀、科学の振興と共に、それまで訳の分からない力と見られていた【五法】を
普通の人にも分かるように研究しようと興った団体。【五法】の世界への貢献と、
自分たちへの理解を深めてもらう為に多くの【五法相】が参加している。

○廃絶十字(ストレイトクロス)
【不存体】をこの世から1体残らず廃絶する事を目的とする団体。廃絶は【不存体】を作成する人間、
および所属機関も例外ではなく、しばしば【諮問機関】と対立、【諮問機関】の有能な人材を
【想法】で洗脳して仲間に加えている。【廃絶十字】のメンバーはその任務によって
騎士の称号を授かる。セフィラは【不存体】の直接的な抹消を任とする弾劾騎士(バレットナイト)。
他には洗脳などの精神操作を任とする審問騎士(インクウィジター)などがいるようだ。
騎士達は【不存体】抹消の為なら何も惜しまない。自分の命でさえも。

○霊廟(クリプト)
【不存体】の団体・・・か?詳細不明。【死者の足音(デッドマンウォーキング)】と呼ばれる
“仲間集め”を行うようだ。セフィラの家族はこれの犠牲になった。

○機工品(アートクラフト)
【五法相】がそれぞれの力を込めた、いわゆる魔法効果のあるアイテム。
【識法】の力が込められた【眼蜂(ワスプ)】、【行法】の力が込められた【行者の外套】、
【色法】の力が込められた【無燿の指先(ディスィンテグレイター)】等がある。
基本的に【五法】を使うよりも効果は薄く、自分が使える能力以外の【五法】を使用すると
大量に【零質】を消費するので、【無機質化】を起こす恐れがある。ご利用は計画的に。

○無機質化(ペトリフィケイション)
過剰に【五法】を使うことによって酷使した身体から完全に【零質】が失われて、
身体が無機物へ変質する現象。最後には命そのものが無機質化してしまう。

○不存体(アンデッド)
【造屍師】等が【五法】の力で作った動く道具。【不存体】はその能力と形状によって、
いくつかに分類される。骨状の【骸形(スケルトン)】、不定形の【籠霊(レイス)】等がそう。
カジャの【屍機(ワイト)】やリシュエルの【瘴主(リッチ)】は非常に高等な部類に入る。
【不存体】は例外なく【想法】が付与された核を身体のどこかに持っている。
核は生命維持の役割と共に、その【不存体】の思考、判断、感情、精神等全てを司る。
【不存体】はそこに存在するだけで【零質】を消費し、周りの気を乱す。
【廃絶十字】にとっては単に殺戮の対象でしかなく、忌むべき存在。
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2007/01/31(水) 21:42:16) | booklines.net
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2007/02/13(火) 19:11:45) | ライトノベルっていいね