詠み人知らず
オナカガスイタラギュウニクコロッケ!!!
電撃文庫・1月の感想1
■渡瀬 草一郎×岩崎 美奈子『空の鐘の響く惑星で⑫』  ★★★★★
空の鐘の響く惑星で⑫ラトロアの議員達との会談に臨んだフェリオとウルク。
元首・ジェラルドとの論戦は、他の議員達を巻き込んで白熱し、
やがてラトロアの暗部を暴き出すに至る。しかし紛糾する議論の裏側では、
その時、メビウス達の手によって、一つの異変が起こされつつあった。
突如、首都ラボラトリに現れた漆黒の空間――【死の神霊】を奉る六番目の神殿、
【終末の黒い神殿】。古の書に記されたその忌まわしき存在は、
この星の命運をかけた最後の戦いへとフェリオ達を誘う!

素晴らしかった。感無量です。満点でも足らん。最後のページを捲り終えた瞬間に
出てきた言葉は、「んー・・・」でした。直ぐに胃袋に収めるにはあまりに美味しくて、
少しでも長い間、口の中で味わっていたいアイスを味わっている気分とでも言うのかな。

『空鐘』はあとがきにも書かれてあるとおり、終わりました、終わってしまいました。
思えば「嗚呼、終わってしまった・・・」と思うのはラノベの特徴のような気がする。
漫画は終わってもあまりこんな気持ちにはならない。一点の曇りも無く拍手喝采だ。
しかしラノベはそうもいかないようだ。恐らくこれは、ラノベとゆーものは文字が主体故
なんだろうと思う。漫画は視覚的に入ってくる情報がほぼ全てなのに対して、ラノベは
長く読んでいる間に読者それぞれの世界が出来上がってしまい、それとお別れをするのに
辛く感じてしまうんだろう。いいね、こーゆーの。何度味わっても食べ飽きないな!

物語が終わった今、世界の真実とか、対メビウスとかについて語るのはもういいでしょう。
さよならの意味をこめてキャラごとに感想などを書いてみたいと思います。

コウ。「ヒトに“知恵の実”を与えた“蛇”」のくだりで濡れた。
分からない人には分からない例えではあったが、これには感服致しました。
シャジールの民が蛇の頭なのに意味があったなんて・・・天才すぎw

カトル。彼の最期に涙した人は多いのではないでしょうか。俺はてっきりユーディエから貰った
香水が死亡フラグかとふんでいたんですが、ああいう使い方とは・・・多くの来訪者達は最期に
大切な物を取り戻しますが彼のが一番ジーンときました。カトルは恐らくあの後・・・。

バニッシュ。望まれぬまま、また自身も望まぬまま異界へやってきて、大切な存在がある
あるべき場所へ帰ろうとした男。「あるべき場所へ帰りたい」という願いすら利用され、
譲れぬ想い同士のぶつかりあいに敗れた彼は『空鐘』一番の不幸な奴だったのかもしれない。
色んな人が色んなモノを得、失う物語でしたが、彼だけは最初から“空っぽ”だったんですね。

ムスカ&シア。死の星となった地球においてもまだ自分が人であることを忘れなかった人達。
あっちとこっちの世界の関係の仮説を立てる上で、ムスカもまた貴く得難いモノを手に入れた。
物語を締めくくるのが成長したシアなんて最高じゃないスか。ウルクそっくりだし!
目が見えるようになったユーディエとの文通なんて泣かせる。若しかしたら彼女達が、
ラトロア、ジラーハ、アルセイフの未来を引っ張る事になるのかもしれないですね。

パンプキン。裏主人公の呼び声高い道化の中の道化。彼の活躍無しでは『空鐘』という物語自体が
終わらなかった気がします。しっかし、最初に登場した時誰がここまでの存在だと思ったよ?w
人気投票とかしたら1位になりそうなくらい素晴らしい奴でした。道化の見事な引き際に敬礼!

イリス&エンジュ。イリスは物語の中で一番変わった、いや、本当の自分に戻れた存在なのでは。
正直、エンジュとの出会いがここまで彼女をかえるとは思っていませんでした。
エピローグでもまだ“彼ら”に会う事は叶わなかったわけですが、いつかきっと
会える日が来ますね。その時はイリスとエンジュの間にも宝物が出来ている事でしょう。

メビウス。多分、彼にはフェリオ達に「自分があるべき場所は自分で作るべきだ」と
言われる前から最初から全て分かっていたんだと思います。純粋に生きたいと願い、
でも手術のお陰で老い先短く、また誰にも受け入れてもらえなかった事から
ああいう手段に出たんだと思う。彼があっちの世界に行きたかったのは延命よりも、
誰かに認めて欲しかったからなのでしょう・・・ホント「生きる」って難しいですなぁ。

シズヤ&エイミー。徹頭徹尾悪役に徹した百合・・・もとい、暗殺者達。
「勧善懲悪が成立するのはつくり話の中だけ」という言葉が印象的でした。
しかし彼女達は【屍の薬】を服用しないと生きていけない以上、たとえ寿命まで
生きたとしても我々が言う幸せはないんでしょうね。特にエイミーなんて“これから”だし。

ジェラルド。フェリオ達との会談は熱かった!汚い事をしてはいたが彼はやはり政治家でした。
全てが終わり、政治家として失脚、そしてシズヤ達に暗殺される事を覚悟していた彼が、
ユーディエに会う事を無上の喜びとしているのを見て、悪役が生き残るのも悪くないと思った。
日本の政治も実は裏ではあんな熱い戦いが繰り広げているんだろうか・・・w

ライナスティ&ディアメル。エピローグでのロセッティの「ぜひ会って来い」ってのは
そーゆー意味ですよね?いやはや、妬けますなぁ。背中を預けることの出来る仲ってやつですか。
物語の中でフェリオを一途に想う言動に何度心を打たれた事か。人の器に惹かれるって素敵。
ああいう世界に生きてみるのも悪くないな、勿論いい主君にめぐり合えるかは分からないけど。

ウィスタル&バロッサ。最後の最後に美味しいところを!この2人強すぎですね、
ゲームバランスが崩壊します。特にバロッサは異常。ラスボスも一撃で屠りそうですw
ウィスタルは当初戦闘で大活躍すると思っていたんですが、案外活躍の場はありませんでした。
寧ろフェリオの心が折れそうになった時の師という存在としての功績が大きかったですね。
ウィスタルはエピローグでも現役のようで、やはりフェリオ達の子の師の1人として
多くの事を教えていくのでしょう。ハーレムエンドを迎えたフェリオにかわってね!w
俺もこの年になってようやく人生の先輩の在り難さに気付き始めましたよ。

シルヴァーナ&ハーミット。おいおーい!このカップルだけエピローグにでてこなかったぞ!
何だ?文字通りハーミット(=隠者)って事か?まぁ、あの展開なら100%一緒になっていると
思うけど。はっきり言って一番後日談が知りたいカップルなのにー!シルヴァーナが
ハーミットを尻にしいているのか、それとも・・・ええい!短編だ!短編を持てい!w

フェリオ&ウルク&リセリナ。そうきたかー。確かにフェリオは王族だし、それはアリなんだが、
幼馴染至上主義の作者の事だからこれはしないと思っていたが・・・虚を突かれました。
3人がどうなったかは実際に読んで確かめてみてよねっ!お幸せに!(つд`)b

他にも沢山の魅力的なキャラがいたんだけど、キリがないのでこの辺で。
次回作は新作?それとも『パラサイト・ムーン』か『陰陽の京』か。

「ラノベってものがあんねんけど読んでみーへん?」。そう言われてこの世界にハマりました。
その時、手渡されたのは渡瀬先生の作品。俺のラノベ歴は先生の小説家歴にほぼ比例します。
渡瀬先生が小説家になってからとった年齢分、俺も年をとった。渡瀬先生が小説家になってから
成長した分、俺も成長・・・したかなぁ・・・?こう考えると感慨深いものがありますね。
まだ20年ちょっとしか生きていませんが、恩師と呼べる方々に出会い、色々教わってきました。
渡瀬先生もその1人かもしれません。無論、顔も性格も知りません。でも俺の人生に少なからず
影響を与えていると思います。ペン1本で他人の人生に影響を与えるって凄いですね。
とりあえず、渡瀬先生の次作を読むまでは死ねないね?面白ぇ。これだから人生はやめられない。
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