詠み人知らず
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電撃文庫・4月の感想1
■西村 悠×高階@聖人『二四〇九階の彼女①』  ★★★☆☆
二四〇九階の彼女無数の階層が連なる【塔】のかたちをした世界。各階層は神の代行機械である
アントロポシュカによって管理されていた。しかし管理する階層に住む人間が
“幸せ”に暮らせる世界を作る、という命題を与えられ階層世界を運営してきた
アントロポシュカたちは、永い時間を経て、その多くに狂いを生じていて・・・。
【幸せ】に狂った世界の中を、少年・サドリは相棒のカエルとともに海を目指して
塔を降りてゆく。かつて交わした“彼女”とのただひとつの約束を果たすために。

約束を果たす為にゴール地点から1階まで降り、“騎士”は“姫”に会いに行く・・・
これは逆『ドルアーガの塔』のような物語だ。様々な階層世界をサドリが降りていくという短編連作。
1巻では『九一四階の積層図書館』、『九四三階の戦争』、『九〇〇階のカエルの国』、
『一〇五六階の幻想』、『二四〇九階の彼女』の5話が収録されている。

階層世界はそれぞれ【門】で繋がっていて、【鍵】となる人物(【門】と【鍵】は
絶対設定しないといけない。アントロポシュカが持つ制約の1つ)をそこに連れて行くと、
世界を1つ上下出来る。階層世界にはそれぞれ人間の“幸せ”を追求した世界創りを行う
神の代行機械アントロポシュカがいて、彼女(性別的には女性らしい)は絶対の存在である。

『九一四階の積層図書館』。正直これを読んだ時は地雷を踏んだと思った。
九一四階は積層図書館と呼ばれるあらゆる並行世界のあらゆる事象が書かれた本が
収められた図書館と、草原で成っている世界。図書館にはアントロポシュカがその事象を
記述させる為に選定した“記述者”が居て、その人は図書館を出られず、それ以外の人は
図書館には入られない。この話ではそんな境遇におかれた【記述者】の少年・フリオリと、
彼を外へ連れ出し、外の素晴らしさを知って欲しいと願う少女・オリネラ(=【鍵】)の
淡い恋物語を描いています。積層図書館・・・アカシックレコード博物館とも言える設定は
気に入りました。ただフリオリが外に出るかで無いかの決断までがちょっと長すぎました。
1話って事もあって、まだこの物語の設定が理解しきれていない部分もあった為、
若干ダレましたね。カエルのキャラの濃さがなければ本を閉じていたでしょうw

『九四三階の戦争』。これを読んで評価が180度変わった、最後まで読もうと思った。
九四三階は人が2つの組織に分かれて、未来永劫殺し合いをし続けている世界。
人口は決まっているのに、互いに殺し合いをしても何故、戦争が終わらない?人類が絶滅しない?
愛する人のために人を殺す。これがこの階層を統べるアントロポシュカの“幸せ”の答えなのか?
これらの真実が分かった時は思わずぐっときてしまいました。

『九〇〇階のカエルの国』。醜い人の身体を捨て、全ての人がカエルになった世界。
この話でカエルの衝撃的な(?)正体が明らかになる。カエル萌え~w

『一〇五六階の幻想』。『九四三階の戦争』よりも更に良かったです。
一〇五六階は人類が既に死滅してしまっていて、全てがホログラムで形成させた世界。
この話が、1巻の中で一番“幸せ”が歪んでしまってるね。ここのアントロポシュカは
“家族の思い出”が“幸せ”の理想像だと考えた。だから人々に“家族”を与えた。
しかし人は完璧な存在ではない。過ちを犯す。例えそれが家族の中にあってでもだ。
小動物を殺す、金を盗む、相手を殴る・・・過ちを犯す存在はアントロポシュカにとっては
“幸せ”を阻害する異分子に映った。「私の理想の世界にそぐわない者は排除しなければ」と
過ちを犯す人は全て殺していった。だから人類がいなくなってしまった世界が出来た。
1人残らず殺されたって事は、逆を言えばやはり聖人なんて存在しないってこった。哀しいぜ。

人の為にエデンを創ったのに、その住人を排除するのが“幸せ”への道だと信じる神。
矛盾した信念の元に人を殺し尽くし、代替として偽物の・・・ホログラムの世界を構築、
未だに“幸せ”を維持できていると思っている。そもそも“幸せ”ってのは人それぞれであって、
他者に「これが幸せですよ」と押し付けられるものではないだろう。それに完璧な人間なんて
存在しない。頂点である完璧な世界を創った時点からその世界は劣化していくしかないんだよ。

『二四〇九階の彼女』。舞台はサドリが住んでいたアサ四棟・一三〇二階である。
ひょんなことから違う【塔】、アサ五棟・二四〇九階に追放されてしまった少女と交信し、
彼女から世界の真実を聞き、サドリが【塔】を降りる決心をする話だ。彼女によると階層世界は
1つだけではないらしい。主人公が住む【塔】はアサ四棟と呼ばれる【塔】で、
『二四〇九階の彼女』の“彼女”が住んでいるのは、今は廃棄され、倒壊寸前の
アサ五棟と呼ばれる【塔】らしい。アサ五棟には人間は“彼女”を除いて誰も居ない。

“外”の世界へ追放され、真実を知った“彼女”の言葉から推測するに、どうやら“外”とは
地球(っぽい星)であるらしい。地球と言う名詞は出なかったが、海とか、月や太陽は出てきてる。
で、星の表面に【塔】がいくつか(少なくとも五棟)ある。1巻では“外”がどんな環境なのかは
分からなかった。よって【塔】が創られた本当の理由もわからない。本当にアサ四棟・一三〇二階の
伝承のように、人が【神の業】(=知恵の実の事か?)を盗んで【第一世界】が滅びたからなのか。

アサ四棟・一三〇二階で人々はアントロポシュカによって「世界は一度滅び、人々がまた過ちを
犯さないように【塔】が創られました」と教えられている。これはエデンの園と同じような
状態だって事だな。で、教えられている真実は天動説だ。“彼女”は天動説に疑問を持ち、
“外”の世界へ下ったことで真実・・・地動説が正しい事を、世界の真実が素晴らしい事を、
そして何より私たちは本当は自由なのだと言う事を知った。一方。サドリは古代人が
「この星は神象が支える円盤状の世界」と考えたように彼もまたそう思っている。
しかし地動説を聞き、それが真実なのかを知りたいと思うようになる。

「そっちの空は綺麗ですか」「はい綺麗です。そちらの空はどうですか」のやり取りが、
何とも言えんかった。サドリの見る空はアントロポシュカによって創られた天気であり、
“彼女”が見る空は本物の空だ。2人はアサ四棟・一三〇二階には無い海を見る約束をし、
サドリは自由の為に【塔】を降りていく。サドリの心境の変化を読んで、同じ電撃文庫の
『猫の地球儀』を思い出しました。“外”を目指すサドリが、今は死滅してしまった
“天使”がやってきた“星”を目指す猫の幽(かすか)と被った。“天使”や“星”が
何を形容しているかは『猫の地球儀』を読んで頂くとして・・・幽は最期、
“星”の“海”を見るんですが・・・サドリはどうなるんでしょうね。
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テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌

コメント
この記事へのコメント
 お久しぶりです空気です。

 いきなりなんですが、すいません、同じ内容のTBを二回送ってしまったようです。
 お手数書けますが、削除をお願いします。

>『猫の地球儀』を読んで頂くとして・・
 今まさに探してる本がこれです……!!
 
2006/11/02(木) 17:38:52 | URL | 空気 #/9hBKkrU[ 編集]
了解致しましたー
どもどもー。TB有難う御座います!二重のやつ1つ消しましたです。

>>『猫』
実は今の自分のHNは、当時かつ最初に読んだ電撃文庫『パラサイトムーン』の登場キャラの、
霧塚 雅と『猫の地球儀』の登場キャラの幽(かすか)をくっつけて作りましたw

『猫』は良い作品でした。これはもう読んでもらうしかないと思います。
自分が一番心に残ったシーンは(以下略
2006/11/03(金) 11:19:58 | URL | 霧塚 幽 #Wyagh/TQ[ 編集]
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2006/10/21(土) 23:46:48) | booklines.net
無数の階層が連なる【塔】のかたちをした世界。各階層は神の代行機械であるアントロポシュカによって管理されていた。しかし管理する階層に住む人間が【幸せ】に暮らせる世界を作る、という命題を与えられ階層世界を運営してきたアントロポシュカたちは、永い時間を経て、そ
2006/11/02(木) 17:32:16) | ライトノベルの箱詰め。
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2007/03/31(土) 09:01:06) | たこの感想文