詠み人知らず
2017年9月25日 けもフレショック(日本)
電撃文庫・2月の感想1
■周防 ツカサ×久麻『ラキア②』  ★★★☆☆
ラキア②名村 哲平と桐沢 弥生。二人はコンビニで出会い、
そして“非日常”の扉を一緒に開けた。彼らが迷い込んだその先は、
時間が一日ずつさかのぼっていくという【フリップ世界】だった。
毎日過去に戻されていく名村と桐沢は、悩み、苦しみ、励まし合い、笑い合って、
なんとか出口を模索しようとするが・・・。そんな二人の様子を真っ黒な少女が
ずっと眺めていた。これはそんな【フリップ世界】に囚われた少年少女の物語。

SF理系恋愛小説の第2弾。頭のてっぺんから足の先まで文系の俺には辛いぜ。
えーっと、時間弾性説や特殊相対性理論のようなムズカシイ事は置いといて、だ。
世の中には【スプリット宇宙】という沢山の母体世界があって、そこは【フリップ世界】等の
並行世界が広がっている、と。人は何らかの作用によって【認識移行】を起こし、
元居た【ベース世界】から他世界に移ろい行ってしまう・・・そんな解釈でOKですか?

作中で並行世界の確実性を説いていたが、俺もその可能性はあると思う。確固たる理由は無いが、
「宇宙に地球以外に知的生命体は存在するのか」と一緒で、確率的に考えたらあっても
おかしくはないだろうと思う。宇宙には太陽のような恒星が沢山あって(しかも太陽と
比べ物にならんくらいちょーデカい)、それを中心にまわる惑星や衛星も沢山ある。
そういったのが惑星系で、更にそれが集まった存在である銀河(俺達が住んでいる銀河の名前は
天の川銀河。惑星数約2000億個。直径約10万光年。太陽系は中心より約2万6000光年離れてる。
お隣さんは有名なアンドロメダ銀河。お隣とは言っても200万光年以上離れているが。
因みに1光年は約9兆5000億km。頭が割れそうですね?w)がやっぱり沢山あんだぜ?
ましてや宇宙は今この瞬間も膨張し続けている、可能性が上がっていっていると考えられないか。
大昔は架空の中の話だったブラックホール(天の川銀河の中心にもあるようだ)だってあるんだ。
知的生命体も、並行世界もたまたま見つかっていない、不可視なだけかもしんなくね?
それに「上位次元は下位次元を支配出来る」という法則があるしなー。

脱線。閑話休題。今回は1巻の【リピート世界】ではなく、その日から遡行していく【フリップ世界】に
巻き込まれた少年と少女の話。1巻は連作短編ではなく、長編です。1巻で被害にあった
亮介×美和コンビ(=1巻2話の主人公達。1巻のカップルの中では一番好き)が、
ネットで知り合ったカプネさん(=正体は4話の主人公の由佳)から同じ被害者として
紹介を受けたNさん(=2巻の主人公である哲平)からその体験を訊くと言う形で物語は始まる。

SF要素抜きで恋愛モノとしても普通に面白かった。孤高の巨乳子悪魔系の弥生が可愛すぎました。
1巻から登場する全ヒロイン達の中で一番かもなぁ。俺、女性上位(?)好きなんですよねw
深夜のコンビニで、エロ本を通じて知り合う2人。その後エロ本・・・ってか、巨乳っつー
哲平の性癖をネタにゆする弥生と、それに動揺する哲平が微笑ましいのなんのって。

1巻の時もそうだが、変な世界に飛ばされて「わたしとあなたVS世界」の状況に陥ってからの
2人が初々しくていい。真正面からぶつかっていくわけではなく、お互い遠い回り道をしていく。
でもその“回り道”がいい味を出してて、真っ直ぐ歩いたら絶対分からないような事を知り、
少しずつお互いの印象が変わっていく。遂にはそこから自分自体が変わった事にも気付く。
窮状下での“回り道”は、正しさへの“認識”の改めとも言えるのかもしれませんね(謎

【フリップ世界】からの脱出の要因になった(と思われる)「私は誰が好きなのか」
「自分は周りからどういう感情を持たれていたのか」「禍根を断ち、正直になりたい」
「今の自分を周りの環境のせいにして、甘えている自分を自分と思えない」と言う気持ち。
やはり【ベース世界】に戻るには、“認識”(及びその“認識”から来る“変えたい気持ち”)が
鍵になっている・・・のかなぁ。そもそも【プリップ世界】は【ベース世界】とは違って、
時間のベクトルが逆に向いてるよね?だから【フリップ世界】で過去を振り返り、見直すことは、
【ベース世界】では未来を見据え、希望を抱く事に通じると思うんだよね。これも1つの“認識”の
移行なのではないかな。それが「絶対に変わることのない未来への環境」を動かすのかと・・・。

【リピート世界】も【フリップ世界】も、未来への環境を変える事は困難だ。【リピート世界】では
何をしても同じ日を繰り返すので「未来に繋がる行為を起こしても、結果を知る事が不可能」で、
一方、【フリップ世界】では時間がどんどん遡行して行く。例えば1ヵ月前に自分がどういう行動を
したか・・・覚えてないっしょ?この世界では「未来は決まっている」ので、そこに合わせる様に、
過去に準える行動しないと未来が破綻してしまう。弥生は過去に遡行する度に、記憶が曖昧になり、
未来への道を準えなくなり【フリップ世界】に囚われかけた(結局哲平の“記憶”に助けられた
となると、どちらの世界も「偽っている“今”の自分自身を変えないといけない」んじゃないかな。
ただ【スプリット宇宙】の重複による、並行世界の更なる重複は、あくまで“重複”なのだから
単純に「自分を変える=未来の自分も変わる」訳ではないような・・・う、また頭がぁ・・・w

ラキア自身の事も少しずつ分かってきた。まず、彼女(?)は人間ではないと言う事。
上司(この世界を研究している研究者?)であるシゲモリ曰く、ラキアは“システム”だと言う。
ラキアの仕事は【スプリット宇宙】等の並行する世界が重複した時に、その重複部分を
“切り替える”事らしい。2巻ではこれらの表現が曖昧で、これ以上は分からない。
他世界は“並行”なのだからベクトル上重複する事はない。しかしそれが何らかの理由で重複し、
世界が重なってしまった部分では、人々の意識は移ろい易くなるそうだ。つまりラキアは
そういった時に【認識移行】してしまった人達を・・・人達を?人達をどうすんだ?
本編では積極的に助けようとはしていなかったぞ?というより、出来ないようだった。
ラキアはあくまで重複部分のスイッチを切り替える事だけが出来る監視役って事だろうか。

亮介らがファミレスで話を訊くPHASE1と3以外・・・哲平と弥生の体験談は過去の話だ。
となると2巻で出ていたシゲモリはどうなったのか気になる。1巻ではシゲモリは出てこない。
「私は孤独」の様な科白から、1巻ではシゲモリは亡くなっている(2巻でも声だけの出演なので、
生死に関しては断言できない部分はあるんだけど、恐らくは「その世界に行けない」から
端末から声だけの出演になったんだと思う。あれ?そうなると声などは世界を飛び越える事が
出来るってこと・・・か?)か、ラキアと連絡が取れない状態にあると考えられる。
無論、単に出てこなかっただけか、作者が後付けで登場させたという理由も考えられるがw
助言役が居なくなった事で、ラキア自身は今後どうしたらいいのか、果たして分かっているんだろうか。
2巻のラストでシゲモリの発した「ラキアは自我を持ちつつある」という言葉が気になる。

あたしゃ『しにバラ』に見られるような登場人物の“リンク”が好きでねぇ。
亮介×美和、恭ニ×由佳、哲平×弥生(彼女は哲平と痴話喧嘩中で来なかった)が
ひょんな事(=【認識移行】ね)で知り合い、花火を見に行くシーン好きだなぁ。
ラストのコンビニでの哲平と弥生のシーンも好き。恋愛って素晴らしい!人に生まれてよかったw
エロ本から始まる恋!時間遡行で深まる愛!其即ち逆ベクトル作用恋愛!うわっ!素敵過ぎる!
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