詠み人知らず
(∩*´ω`)⊃━☆゜.*・。
電撃文庫・3月の感想1
■壁井 ユカコ×田上 俊介『キーリ⑨-死者たちは荒野に永眠る<下>-』  ★★☆☆☆
キーリ⑨-死者たちは荒野に永眠る<下>-――もう少し、もう少しだけ、こっち側にいてもいいかな。もう少しだ
けキーリと一緒にいてもいいかな・・・。遠からず自分も自分に決着をつけ
るときが来る。終わりを迎えるときが来る。でも・・・。もしも誰かが、この惑星に何かの
奇跡の力を持った誰かがいるのなら。願わくはどうか、もう少しだけ彼女と一緒に・・・。
キーリとハーヴェイ、彼らを取り巻く人々が辿り着いた“終わり”と“始まり”とは――。

第9回電撃小説大賞・大賞受賞作遂に完結です。いやぁ、泣けた。泣けたぜぇ。
人の手によって荒廃したとある惑星で、回りくどい性格の少女と面倒くさい性格の男が
くっ付いたり離れたりする話です。14歳から始まったキーリの旅も終わってみれば18歳。
キーリの少女としての、人間としての成長がちゃんと描かれていました。
キーリのこの4年間の体験は、普通の人が体験する4年間よりも確実に濃く、
それこそ生き方を決めるものになりましたね。俺なんかよりも“大人”です。

ビーや兵長の最期。非常に唐突でした。読者としても気持ちの整理がつかないままでした。
“別れ”というものの無情さを表しているのかなぁ。同時にビーや兵長のように死しても尚、
動かす事の出来る存在がいる素晴らしさを知った。キーリの最後の決断で、背中を押したのは
ビーのあの一言だったしね。ビー・・・死ぬとは。生存すると思っていただけにショックでした。

ラストは大人達の身勝手な行動や、世界の不条理さに牙を剥いていた少女が全てを許し、感謝し、
どうしようもなく救いがたい世界で見つけた一輪の花を、枯れない様に守り抜くことを決心した
って感じかな。泥だらけになってもいい、傷がついてもいい。綺麗な最期よりも、潔い諦めよりも、
生きる理由を見つける事が、生きて何かを成しえる事が大事だと教えられたような気がしました。

しかし正直、あのラストは・・・どうかなと思った。死者たちは荒野に・・・永眠ってないような。
あれが“始まり”なのは分かるけど・・・分かるけど・・・!ただ「一緒に帰ろう」と言うあの約束だけは
守ったと思います。「言葉を交わすことは出来ないけれど、全て分かっている。心はいつも一緒。
一緒に帰って来たよ」とハーヴェイの表情がそう語っているように思えた。ラストでハーヴェイが
惑星に耳をつけて鼓動を聞き、感謝する(ように見える)のは印象的でした。その後のハーヴェイの
言葉は泣いてしまうって!そして「嗚呼、この話最高だった」と静かに確信し本を閉じました。

“終わり”がくる時、俺は果たしてハーヴェイのように今の時代に、惑星自体に、
親友達に、傍に居にいるであろう大切な人感謝出来るかな。俺はまだまだ尻が青いぜ(臭
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テーマ:ライトノベル書評 - ジャンル:本・雑誌

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