詠み人知らず
勝ったな。
漫画・10月の感想1
■天乃 咲哉『Doubt!④』  ★★☆☆☆
Doubt!④学校内にいる父親の隠し子(=実の妹)を探している高校生・神埼 イチル。
旅行先から突然姿を消した彪を追って、イチルは唯一の手がかりがある長崎へ。
長崎到着の夜、イチルは1人の女性と出会う。
ぼんやりしているかと思いきや、一点鋭い言動でイチルを追い詰める彼女。
イチルをタジタジにさせるこの女性、その正体が判明したことで、
イチルの妹探しは一気にクライマックスへ───!
ダウトだらけの妹探しラブコメ、遂に完結!

何となく予想はしていたが、“妹”に関する真実も手伝って、やっぱりな「俺達の戦いは~」エンド。
いや、物語的にはハーレム・・・になるかもしれないエンドか。あくまで、「今後なるかもしれない」ね。
と言うのもイチルが最後まで恋愛意識が皆無なので、そっち方面で盛り上がらなかった。

従姉妹のメグが、最終話でストレートに彼女達は恋愛対象になるのかと問い質すんですが、ご想像の通り。
それでも動がざること山の如し。今流行の難聴系主人公を飛び越して、言語理解不能系主人公でした。

はい、ではまずその妹候補のおさらいです。

藤堂 飛鳥。成績優秀、品行方正な優等生委員長。でも放課後になると・・・?
水城 真魚。女子に人気の元舞台役者。クールな正確に見えるのだが・・・?
立花 彪。天真爛漫な学園の問題児。でもそれには理由があって・・・?

の3人。3巻以降はほぼ彪メインでしたね・・・。
飛鳥一択の自分としては辛い展開でしたw

1巻で最後の妹候補・彪が登場。その後、初っ端、いきなり彪エピソード(本人の想い)長編。
続いて、従姉妹、真魚エピソード(家族関係)ときて、4巻では再び彪エピソード(家族関係)長編。
そしてラストエピソード(“妹”についてとイチルの答え)っつー展開となった。

・・・そう、飛鳥シナリオがほぼ皆無なのだw
一応、彪が学校では猫を被っている飛鳥に対してちょこっと小言を言う展開はあるけど、大きく膨らむ事はなかった。
あれは飛鳥エピと言うより、寧ろ読者への彪の性格披露の一環と見た方がいい。

ましてや長崎編は飛鳥と真魚が東京(?)に残り、蚊帳の外。
イチルや彪のいわゆる“帰ってくる場所”役なんだろうが、終盤で舞台袖に移動するってのは非常に痛い。
ここまで妹候補で差が付くとは、踏み台が発生するとは思っていなかった。

作者は彪押しなの?俺こういう子大嫌いなんだけどw
彼女の長編2つとも、イベントの発生のさせ方がかまってちゃん全開で、
しかも無言で失踪っつー同じパターンだからげんなりした。最低でも片方は発生方法変えて欲しかったわ。

謎の女性は彪の母親(表紙の人です。妹候補じゃないよw)なんですが、
イチルの心の中をズバズバ見透かしてきます。「お?心理戦再開か?」と期待したけど、
彼女の心眼は専門めいた力などではなく、超能力者的なもの。つまりは作者の代弁者。

最終巻で重要キャラであろう母親をポッと出で登場させ、
イチルの弱さを露呈、性根を叩き直して行くのはちょっとどうかと思った。
アレだけの言動をしてきたイチルが実は一番子供で、まだまだだってのは理解できるけど、
それこそ妹候補達との交流の中で、その大切な部分を育んで欲しかった。
“大人”はあくまで“そこ”への推進力役程度に留めて欲しかった。

これでは、風呂敷包みたいから出しましたって印象が強くて感情移入出来ないよ・・・。
しかも、言うだけ言わせておいて、彪の母親はさっさと死んでしまいます。ええ、本当に死にますw
これじゃあ本当に包み役じゃないか。仕事終わったので退場してねってそりゃないぜ。
作者の「早く締めたい」または「(大人の事情で)早く締めないと」が垣間見えるとやっぱ萎えますよね。

作中、一番「好き」を意識していたのは間違いなく飛鳥だよな。
飛鳥が1人、恋愛要素を物語に着床させようと孤軍奮闘するも、頑張れば頑張るほど虚しいだけ。
イチルの母親から、男を落とすテクニックを学び、それを赤面覚悟で実行する姿はかなり可愛かったけど。

でも、今まで述べたようにイチルが対象どころか、「恋愛って何?おいしいの?」状態で、
滑り台ってレベルじゃない。まだ他者勝利の滑り台役の方がマシ。彼女の場合、滑った先は奈落。
しかも誰も気にも留めていない。まだ、今後があるなら期待はできるが、
打ち切りのように終わってしまったので、何も言い様も想像し様もないっつーね・・・。

最初に出会って、大きなエピソード消化したからか、
飛鳥に対してはイチルは「もうこの子は大丈夫だよな」が3巻以降溢れていた。
いや、違うでしょ。彼の性格を考えると「はい次、はい次」はおかしくはない・・・が、
何で飛鳥にだけこうも事務的なんだ。真魚や、何より彪には何度も甲斐甲斐しく世話を焼き続けたのに・・・。

しかもですよ。飛鳥の「血が繋がってない」弟君は見事に飛鳥を意識していて、
終盤も終盤、最終話でフラグ立ってるし、もう意味分からん。何でフラグ立たせた?続編あるのか?
それとも飛鳥はあくまでイチルの“妹”であり、飛鳥の恋心は成就しませんという死刑宣告か?w

真魚も似たようなもんだ。彼女が飛鳥みたいに自分から向かっていくタイプではないので、
家族関係のエピソードが解決した時点で、物凄く影が薄くなった。

因みに最終話のサブタイトルは『カッコウの家族』。
恐らくこれは「良い意味で」托卵を意識してのものだろうけど、ちょっと厳しいな。
これでラブコメを冠するのは・・・ないな。

正直、妹探しから、候補達を異性として意識してしまって、その間の葛藤っつー王道展開の方が面白かったかもな。
1・2巻では妹探しの過程で降りかかる様々な難題を、心理学に基づいたマインド・ゲームを駆使して乗り越えていったので、
こっち方面でも期待できるのかと思っていたのに、妹候補が揃った後は、(妹候補の一部だけが)普通のラブコメに終始。
そうなるんだったら、素直に分かり易い王道の方が人気でたのでは・・・?
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