詠み人知らず
『天結いキャッスルマイスター』DLC第1弾(無料)きたあああ!!!
漫画・7月の感想1
■五十嵐 藍『ワールドゲイズ クリップス②』  ★★☆☆☆
ワールドゲイズ クリップス②『らくがき、うわがき』、『プレイ フォー トゥデイ』、
『数字遊び』、『橙色の時間とさようなら』、『クウソウ』、
『常温で灰になる日々の燃え残りに映る幻』。
───子供の遊びは、子供の祈り。

イエスでもノーでもない。色で言うと灰色。ボーっとして、どこにも動かなくていい。
そんな、言葉では形容し難い「考えるな。感じるんだ」的世代の甘苦い“あの時”を描いた短編集の2巻です。
しかし今回は、短編集と言えど、舞台が同じで、そこで生きる人達のドラマとなってます。

その舞台とは「来年で廃校となる最後の文化祭を控えた学校」。
最後の文化祭という事で盛り上がっている・・・という事なんかなく、最早、諦めや悲しみというった感情すらない、
ただただ退廃的な空気が支配している。某主人公の言葉を借りると「どうでもいい」って事ですな。

俺ぁ、「最後の文化祭」なんて逆に思い出になるのになんて思ったりしたけど、
コレは多分、俺が“大人”になったからそう感じるんだろう。
作中に学生達は、決して「無感動系という今時の子だから」だけではなく、
よく考えれば俺も学生の頃は、始まる前や直後は「チ、めんどくせーな」な人間だった。
“大人”になった今だから、「最後の文化祭」の意味を理解する事が出来るんだと思う。
終わった後は、クラスの絆や女子と仲が深まったりして、やってよかったなって思うんだけどなw

さて、そんな無感動系を代表する登場人物達が以下の子達だ。
銅像を壊して文化祭のまとめ役にさせられてしまった(実は発育良好な)里未。表紙の子ですね。
基本丁寧語で、ブー垂れつつも最終的には投げ出す事をしない真面目な子。
全編を通して、顔を出すので、この子が一応の主人公になるのかな。
そしてこの里未と知り合ったのが、廃校を前に間もなく転校してしまう(ジャックナイフな)黒井という少女。

既に退学して働いているが、里未が嫌々ながらも“動”の属性を持った事で、
再び自身も動く事となった古谷。彼は里未にある感情を抱き始める・・・ってアレしかないですよね。
でも彼はこの作品の“色”を守らんと、それにとて「この感情に特に答えを付けたくない」とか、
「ボヤーっとした憧れのままでいい」とか何ともクサい台詞を吐くんスよねーw

で、古谷の思いに気付き、文化祭の準備をサボる口実として彼にちょっかい出してくるのが(小悪魔な)荻野。
他にも2人しかおらず廃部寸前(廃部も何も、学校自体が来年廃校なのでどのクラブも廃部寸前なんだがw)の
クラブで「自分も何かしないといけないのかな」という漠然とした思いと戦っているドレッド君。
彼を色々と困らす同じクラブの(華奢でかなり可愛い)不思議ちゃんなどがいます。

個々が色んなところで繋がっていて、少しずつ個々のキャラの色が現れていくのは面白かった。
どうでもいいが口癖っぽくて、軽そうで、小悪魔的なのに、面倒見が良くて、
結構相手の気持ちを慮る事ができる子とかヤバイっすね。ええ、荻野さんの事なんですがw

個々が色々なものを得たであろう「最後の文化祭」ですが、
個人的にはドレッド君と不思議ちゃんの関係のレベルアップが一番ニンマリできます。
ドレッド君の頭がパンクして、不思議ちゃんに●●●しかけた時はどうなる事かと思ったけど、
最終的にはいわゆるハッピーエンドになって良かった。五十嵐先生なら●●●して、そのまま●●エンドもあり得るしw
不思議ちゃん自体は全く変わってないので、今後、彼女に振り回されるドレッド君が浮かびますねぇw
ああいう関係って憧れます。これは大人となった今でもそう。くぅ・・・w

最後の短編のタイトル『常温で灰になる日々の燃え残りに映る幻』はとても味わい深いものだなー。
ラストシーンで社会人となった里未が、今まで短編で描かれてきた過去を回想する話です。

なにもしなくても(=常温)、時が経てば“それ”は“灰”になるんだけど、
それでも一部には“燃え残り”があり、そこからは“今”に向かって“煙”があがっている。
そして、その“煙”には今は昔となった“幻”が映っている・・・と、こんな感じでしょうか。

あれだけ空虚で、その中を埋めた思い出すら自分を突き動かさず、
寧ろ時間によって全て流されていったのに、それでも一部は燃え尽きず、心の中に残っている。
が、そこに見えるのはあくまで“今”からすると“幻”・・・「もう終わったもの」であり、
モヤモヤした“煙”の向こうには「ユラユラと揺れる」“現実”が見えている。

と、何ともほろ苦いものなんですが、そこにこそキラキラした眩しいものはあるんだという
里未の想いはよく分かります。人っては“今”を“今”という足によって前に進んでいるようで、
実は“常温で灰になる日々の燃え残りに映る幻”を抱え、そこから改めて“今”を見つめ直す事で、生きていけているのかも。
“煙”によって揺れる朧げな“現実”というのは必ずしも悪い事ではない。
揺れを押さえ、定まった未来へと確定させるのは、他でもない自分次第だからな。

俺の“常温で灰になる日々の燃え残りに映る幻”はなんだろうなぁ。普段ンな事意識してないよな。
「あれかな?これかな?」と候補はいくつかあるのだが、“これ”が多いということは果たして幸せな事なんだろうか(臭
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