詠み人知らず
『天結いキャッスルマイスター』DLC第1弾(無料)きたあああ!!!
漫画・1月の感想1
■ふじつか 雪『桃山キョーダイ④』  ★★☆☆☆
桃山キョーダイ④双子の兄妹(実は従兄妹同士)として育った、有馬と千尋。
長い間抑えていた想いを、遂に2人は打ち明け合う・・・。
しかしその前に何とハル兄が立ちはだかり・・・!?
2人の出生の秘話も収録!秘密のファミリードラマ、ドキドキが止まらない最終巻です!

ええ、有馬の保健室での告白は案の定他人に聞かれる訳ですが。
ええ、勿論それは有馬の事が好きなライバルキャラである杏西さんにです。
ええ、当然口止めする為に好きじゃないけど言う事聞いて付き合っちゃう展開になります。
ええ、千尋はそれを見て告白をスルーしつつも2人に嫉妬しちゃうんです。

とまぁ初っ端から怒涛のテンプレ展開。
しかしながら、杏西さんに魅力によってこの展開はなかなか面白かった。
その場のノリで「口止めしたいなら~」と言っちゃった杏西さんですが、
当の本人は言うつもりなど更々無く、自分が好きな男にウジウジしてほしくない、
決める時は決めんかいと発破をかけるつもりだったというある意味でイケメンな部分と、
そして昔と違って(杏西さんはドブスだった過去に、容姿から苛められてたんだけどそれを有馬が助けた)、
有馬の為に努力して身も心も綺麗になった部分を見て欲しい、せめて褒めて欲しい、
「私は2番目でもいいから」という何とも乙女なプライドの部分が交錯する杏西さんが凄く可愛かった。

美人とボーイッシュが同居した(個人的に)ドストライクな見た目で、
色んな人に愛されて育った千尋と違って、いい意味で“女”を武器にしない姿にも好感触。
“真っ直ぐ”ではない他人に厳しく、それ以上に自分に厳しい彼女はいい女ですね。

杏西さん的には、本心があるのに誰にでも優しく、男女問わず無難に付き合う有馬が見てられんかったんだな。
有馬と千尋の待ちまわりは、出生の事もあるし別に悪い訳じゃない。けど、杏西さんには、
それを否定する権利はあるな。やっぱ、1本通った信念がある人間は強いですよ。輝いてますよ。
そんな真正面から向かってくる相手を、“道化”に落とした桃山兄妹の罪は重いぜw
まぁそのお陰で2人は1歩前に出られたんだけどね・・・。

そういう意味では千尋の幼馴染の梅ケン君も兄妹の背中を押す役目に終始して、
最後まで本筋に名乗りを上げてくることは無かったのは驚いた。桃山兄妹はマジで2人に感謝せんといかん。
そんな似た者同士の2人はエピローグで仲良くやってるっぽいから、多少救われたかな?
天然バカの梅ケンは杏西さんと付き合ってる意識ないみたいだけどw

そしてラスボス登場ですよ。相手は当然、千尋の実父であるハル兄。
何故2人の仲を認めないかについてもここで語られます。有馬と千尋の出生の秘密ですな。

ハル兄は学生当時、家庭教師であった大学生・抄子と色々あってアレな関係になる。
が、妊娠した抄子は末期ガンに侵されている事が判明。抄子は自分の命と引き換えに千尋出産。

同じ頃、こちらも妊娠・出産したナツ姉(ハル兄の姉、有馬の実母)は、相手に逃げられ途方に暮れていた。
高校生だったナツ姉の子を自分(ママン)の養子として迎えることを決意、「これしかない」と
ハル兄も自分の子を養子として育ててもらうようにママンに懇願・・・今に至る、と。

こういった経緯があるからハル兄は反対な訳ですな。
千尋は抄子が命と引き換えに遺した想いであり、彼女が生きた証(見た目も瓜二つです)だと。
だからこそ絶対守ると、泣かせないと、不幸にしないと。そういう決意から来るものなんでしょう。
今の千尋は、抄子が欲しくて欲しく遂に得られなかった“家族”の元にいる。
有馬を許すことは、今が、“家族”が崩れてしまうと危惧したんでしょう。
受動的な性格のハル兄が、有馬との関係を知った瞬間、千尋を連れて家を出たのも、
「抄子との“家族”の崩壊」を相当に恐れた結果だと思う。

過保護なハル兄に比べ、基本的にノータッチなナツ姉の違いもこの辺に由来するんじゃろな。
いや、別にナツ姉が有馬を愛していないという訳ではなんだろうけど、
ハル兄の方が背負っているものが重いからな。
あと2人の考え方の違いやね。自分が守る・・・つまり、後ろに置くハル兄と、
共に歩いていくと、隣に有馬を置いているナツ姉。どっちが正しいんやろ、どっちも正しいのかな。

ここまで読んだ方なら多くの方が思うと思うんだけど、ハル兄は抄子の想いに捕らわれすぎちょるわな。
無論、千尋を養子にしたあの日からずっと、愛する子の為、良かれと思ってやってた事なんだけど、
当の千尋はハル兄が思っているよりも何倍も大人になってて、ちゃんと抄子の思いを受け取っていた。

寧ろ、ハル兄は抄子の幻影を見て、逃げていただけ。抄子の本心を綴ったあの手紙を、
今の今まで読んでなかったのも逃げの1つ。もしあそこで千尋が抄子の手紙をハル兄に
読まんかいと渡さなかったら、凝り固まったハル兄の考えがここまで溶解したかどうか・・・。

けど最後に、本業(小説家)で2人の仲について1つの答えを出したハル兄は流石に格好良かった。
「それでもその道を選ぶなら、幸せになって俺を見返してみろ」とはなかなか言える言葉じゃあないぜw
パパンになったら言ってみたい言葉ランキングの上位に入るっしょw

それにしても・・・今更ながら、どえりゃあ設定ですなw
桃山ママンにしてみたら「あっちこっちでポンポン子供作ってくるんじゃないよ!」って感じスかねw
世間体を考えてとは言え、実子2人に加えその子2人を育てきったママンは偉い。母は強し、ですね。

因みに、千尋が幼児体型なのってどう考えても抄子の遺伝ですよねw
抄子も大学生ながら小学生みたいなちっこさだったし。
物語的には千尋は幼児体型で良かったと言えるかな。あの体型に天パで、
ボケボケっとしてるからこそ小動物的に愛されるのであって、これで見た目完璧、
秀才とか違う属性ついてたら、(読者や登場人物に)ここまで可愛がられてたかどうかw

扱ってる内容はそれなりに重いものなんだけど、当人たる有馬や千尋以外にも、
周りの友達、ライバル達、そして家族に至るまで全体的に凄くサバサバしてます。
別にもっとイチャコラしろって訳とちゃうねんけどー・・・。
最後まで薄塩味で、終わり方も実にあっさりしたものだった。

この物語は有馬と千尋の恋物語と言うより、“家族”についての物語だった・・・っぽい。
締め方も考え様によっては、2人の関係が本当の意味での“家族”という土台を得て、
その上で、再び前に歩いていく・・・みたいな終わり方だったように思う。

この辺は作者に加え、連載雑誌の“色”もあったのかなー?
コレが某少女漫画雑誌なら2人に焦点当てまくりで、ラストはもうアレでソレな感じだっただろうw
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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:本・雑誌

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