詠み人知らず
勝ったな。
電撃文庫・8月の感想1
■橋本 紡×山本 ケイジ『半分の月がのぼる空⑥』  ★★☆☆☆
半分の月がのぼる空⑥長い病院生活にピリオドを打った里香は、裕一と同じ学校に通うことになった。
正真正銘のスクールライフに、胸をときめかせる日々――
2人一緒の登校、一緒の校庭、一緒の下校。なんでもない、ありふれた日常だけれど、
ようやくたどり着いたのがそこだった。2人が生きていく場所は病院ではない。
当たり前の場所で、当たり前の生活を送ることが、本当に大切なこと――。
「僕達は、この小さな町で寄り添って生きていく」里香と裕一の生活は、
静かに優しく過ぎていく・・・。裕一、里香、司、みゆき、夏目たち、それぞれの未来は――。

誰だ?蛇足になるかもしれないって言った奴ぁ?確かに作者本人も
そのような事を言っていたが、少なくとも俺にとっては蛇足ではなかった。

病院はあくまでも通過点、そこからがスタート。当たり前のようで当たり前じゃない。
簡単に気付くようで、気付かないことでした。里香はあのまま病院で里香としての
思い出を全て作り、終わるのだとばかり・・・。ありふれた日常を描く難しさと、
素晴らしさを同時に感じた本編最終巻でした。『半月』が描くべきはこの日常だった。
今までの巻はあくまで序章だったのだと強く思った。橋本センセ凄ぇよ(つд`)b

里香はあと5年、もっても10年以内には死んでしまう。なのに里香は「自分がしたい事は
自分で決める。自分の道は自分で歩く」と言い、誰よりも輝いた日常を送ります。
多分裕一やみゆき達と出会わなかったらこうはいかなかっただろうなぁ。
また逆に裕一達も、里香と出会わなかったら輝く日常を送れなかったと思う。
里香と出会い自分を省みる事ができた。裕一は里香と伊勢で生きる事を選び、
司は東京で料理の勉強を、みゆきを司と共にあることを、夏目は全て終えアメリカへ旅立つ事を、
亜希子さんは伊勢で医療に従事する事を、山西はとりあえず大学へ進学する事を選んだ。
それぞれ違う道へ進むんだなぁと、自分がそうだった頃を思い出して物悲しくなったよw
でもこれは誰もが通る道なんだよな。別れは新しい出会いを生むんだーよ。人生って素晴らしいね。

俺は色々な場面で“とりあえずの道”を選んできてしまった事を後悔している。人間やってると
一度は必ず叱咤されるし、絶望を味わう。不幸が10回くらいきてやっと1回幸福が訪れるもんだ。
自分が人間に生まれたことの意味っつーの?俺はこれに気付くまで何年もかかっちまった。
これを読む人が、失敗するかもしれない道を選ぶ事もまた勇気である事を学んで欲しいよ。

里香が死んだ後どうするのか、夏目は裕一に問い掛けた。その頃には裕一は27歳くらい。
夏目は「何かを始めるには遅すぎる。里香を切るか、自分の夢を切るか決めておけ」と言った。
人生の先輩だからこその、小夜子さんの事があったからこその重く、想いのある言葉。
だが裕一は何事にも負けないだろう。夏目もそれを感じからこそ、この言葉を送ったんだと思う。
何の“強さ”も感じないガキに手を差し伸べてやる優しい大人なんていないのよ?多分。

俺は何度も伊勢(厳密に言うと伊勢・志摩地方。本当にいい所です)に行った事があるが、
作中に出てきた伊勢うどんはガチで美味いです。しこしこつるつるの麺を特製の生醤油を
かけて頂くのですが、これがもう・・・至福の時を味わえますよ。俺の中では長崎のちゃんぽん、
香川の讃岐うどん、伊勢の伊勢うどんが三大麺類ですね。特にちゃんぽんはこっちで
喰うのと全然味が違う。本場の味って本当にあるんだなぁと思い知らされたぜ。
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「半分の月がのぼる空6 life goes on」☆×4(完結)電撃文庫:著・橋本紡“未来を、大切なものを、僕たちは掴むんだ――。 感動の本編完結!”【長い病院生活にピリオドを打った里
2006/05/30(火) 00:05:59) | すたじおG