詠み人知らず
『天結いキャッスルマイスター』DLC第1弾(無料)きたあああ!!!
電撃文庫・6月の感想1
■鈴木 鈴×藤真 拓哉『ウチの姫さまにはがっかりです・・・。』  ★☆☆☆☆
ウチの姫さまにはがっかりです・・・。女神のような美貌と優しさで万民に愛される王女・イリステラ。
しかし騎士見習いのアッシュはある夜、彼女と宮廷メイドのティリエルが
人には言えない“趣味”に勤しんでいるところを目撃してしまう!
「これは合意の上なんです!」と力説するイリステラに、
アッシュは「ダメだこの人」と絶望し、彼女の矯正を決意。
しかし、そんな彼に次々と困難が降りかかり・・・。
姫とメイドと騎士見習いが繰り広げるファンタジー&コメディ!

う、うーん・・・鈴木先生の新作にはがっかりです、になっちまったか?w
打ち切り(?)が多かったからか、無難な内容に鉄板絵師・・・防御にまわったか!w
まぁ出版も商売ですからね。書きたい作品と、売れる作品は必ずしも一致しない。
読者は『白山さん』や『サンダガ』『ばにすた』の続編を望んでいるようなw
後者2作品は絶版リストに載ったそうなので、絶望的ですが(´・ω・`)

何というか、「一昔前に流行った読者に直球に“属性”を問うてくる作品」て感じ。
問われる属性があるか、ないかで評価が極端に分かれそう。

そしてこの作品で問われる属性はズバリSMです。
いきなりネタバレしますが、王女の“趣味”がこれなんです。
サド王女と、マゾメイドのソフトSM(=つまりは一般小説で描ける範囲のSMと言うことです)。
ただそれだけです。これには拍子抜けしたなぁ。「実は王女は人間ではなく・・・」とか
「実は王女は主人公の生き別れの・・・」とかを期待したんだけどな。ベタだけど。
この“趣味”で、話をどうやって掘り下げるのか、これが見えなかった。

いやね、これが倒錯した・・・エ●ゲーも真っ青も内容ならまだ面白かったんだけど、
イリステラとティリエルが“ごっこ”に値するようなSMチックな“遊び”をしているだけ。
「本当に命や身分を賭けて阻止せなアカンかね?」と思った。

事あるごとに・・・厳密には「事がある寸前に」アッシュが止めに入るので、
逆にイリステラとティリエルのうふふな情事(?)を期待している人にも・・・どうなんだw
「おい!止めてんじゃねぇ!」って思われそう。故にどっちに転んでも中途半端な感じ。
この程度でサドとかマゾつってたら、全国の“女王様”の怒りを買いそうですw

SMという“がっかり”の世界が、アッシュ、イリステラ、ティリエルの3人のみ、
且つ、アッシュは阻止する役目と、非常に狭い範囲なので中途半端感は否めない。
当然描写もそういうレベルのものだしね。普通のコメディ過ぎる。黒鈴木を期待しすぎたかw
とは言え、ここから一気に黒い展開に走ったら、それはそれで一部の読者しか
ついて来れないと思うし・・・始まりからどっちつかずな印象です。

正直言うて、作中で一番気になったのは3人のSMコントでは無く、
ティリエルの部下である無表情系メイドさん・ユーピッドの164ページの場面。
彼女がアッシュを起こしに来るのですが、そこで出会ったトレインを見て、
「あの方は、ご友人ですか?」と問うユーピッド。そうだと答えるアッシュ。
「・・・なるほど」と意味ありげに(?)呟くユーピッド。
フラグのようなそうじゃないような・・・だけど、俺はこの子に希望を見出しました!w

無表情故、顔からは判別出来ないのですが、これが「(やだ、かっこいい・・・)」とか
「(何か危険な臭いがするわ・・・要警戒)」とか「(彼の方が姫様の【竜戮騎士】に
相応しいのでは・・・強そうだわ・・・)」とかだったら盛り返すチャンスですw
が、彼女の性格から「本当にただ聞いただけ」の可能性も大なんですよね。
あまりにもさらっと流した場面なので、おそらくは・・・い、いや、しかし・・・頼む!w

あ、あとコメディとはかけ離れたシーンだったけど、イリステラが伝染るぞと、
周りから気持ち悪がられる難病の赤子を治療するシーンは良かった。
アッシュからすれば雲の上のお人である意外な王女の性格、一面。
この国、世界が必ずしも幸福で溢れていないという現実。
2つの意味でなかなか興味深いシーンだった。
鈴木先生が、このシーンをファンタジーコメディに入れた意味に期待するとしよう。

【竜戮騎士】の資格を巡っての、騎士団団長との決闘がまだで、
「おいおい、残りページもうないぞ?」と思っていたら戦わず、
とりあえず【竜戮騎士】の“見習い”にして様子を見るという結末。
戦う事無く解決してしまった。これには「えー・・・」と思ったわぁ。
コメディ路線でも、勝敗に関係無くここはちゃんと戦って欲しかったなぁ。

確かに、一度は冒頭に手合わせ(当然ボロ負けです)しているけど、
せっかく、(コントに近いものの)ダンジョン探索して、“修行”もしたのにさ。
「厨房でじゃがいもの皮を剥くだけの、何も得ていなかった頃」のアッシュと、
「色んなモノを得て、少しは自分の道が見え始めてきた」アッシュの“違い”を感じたかった。
そのあとにSMネタで落としてくれてもいいからさー。不戦勝でSMネタで落とされてもな。
ラストシーンだっただけに、読了後のモヤモヤ感が凄まじかったぞw

それともあれか。一旦ここまでにしておいて、アッシュが成長した後に改めて、
と言う、団長がラスボス的な?「昔の様な僕じゃありません!いざ!」
「言うようになったな!だが、言葉だけでは証明にならんぞ!」みたいなw
でもこれだとそれこそ世界が狭すぎるような。

こういうファンタジー要素を省いていたら、本当に1発ネタの中身の無い作品になっちまう。
物語の進行上、主人公が強くなるのはあまり宜しくないのは分かる(姫がSなので、
あくまで主人公はM、またはMに見られなければならない)が、読み手としては、
主人公らしい主人公も読みたいのよね。突っ込み役、ヘタレ役に終始徹する姿は、
それがコメディでも「剣と魔法、王女と騎士なファンタジーな世界」では見ていて面白くない。
「分かりましたよぅ・・・」もいいけど、「クソ!やってやる!」があってもいいんちゃう?

話はそれなりに綺麗に終わっているので・・・単発なのかなぁ。
でも一応ファンタジーの部分(世界観、帝国やら諸王国、【竜戮騎士】などの設定)は
しっかり作ってあるっぽいんだけど・・・。SMがどう見ても1発ネタなので、
ここからどうやって繋げるのか。1発ネタを引っさげてのダンジョン探検パートは
薄味で飛ばしたくなったし・・・。このまま続けても捻りなしのグダグダ話になりそう。

2巻が出るならSM要素を広げるのか、ファンタジー要素を広げるのかで変わってきそう。
前者ならは変な属性を持っている新キャラを据えて(他国の王女とか?)、
アッシュが間に入ってラブ要素を加味する、後者なら他国との戦闘要素を加味して、
風雲急を告げさせる・・・こんな所か?が、どちらかというと争いが少ない世界みたいなので、
前者の方が作りやすく、面白くなりそう。SMのほかにもう1つ“秘密”を作ってもいいかも。
王道だが、王女の許婚とかも登場させて、カオスになるまでかき混ぜて欲しい。

現状、王女の“秘密”は「どうしてもと言うのなら別にチクちゃってOKですよ」な立ち位置。
俺には理解しがたい義務感を持っている、主人公の行動1つで全てが終わってしまう。
しかも周囲の人間(団長や王妃)はそれを知っても「で?」の様な反応しかしなさそう。
ぶっちゃけ、王妃は知ってる(SM気質は王家伝統の遺伝子らしい)しね・・・。
となると、SMだけ料理しても同じ料理が出来るだけな気がするんだよなぁ。
だからまずは“世界”を広げないといかんじゃろ。3人だけじゃ内輪すぎる。

結論。どんな作者だろうが、どんなジャンルだろうが、
俺の中で“先”が見えないない作品はキツい・・・。
作者補正で次巻も買ってみるつもりではいるがね。
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テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌

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