詠み人知らず
EDF!EDF!
電撃文庫・6月の感想1
■渡瀬 草一郎×碧 風羽『輪環の魔導師⑦ 疾風の革命』  ★★★☆☆
輪環の魔導師⑦ 疾風の革命“聖人”クラニオンの不穏な動きにより、六賢人の関係が軋んでいく中、
大国サイエントロフに内乱の兆しが訪れる。“楽人”シェリルに保護されたアルカイン達は、
浮遊庭園からその調査に乗り出すが、その地には魔族の影も――。
そんな中、セロは自身の見る夢の内容が、大罪戦争の英雄達と
深く関わるものであることに困惑を深めていく。
反乱軍に協力する魔族、そして内乱への介入を決めた聖教会。
様々に入り乱れる各勢力の思惑を前に、アルカイン達が選ぶ道は――!

【大罪戦争】を引き起こしたとされるエスハールも目的は、
「神に3つの約束事を破らせる」事にあったようだ。それは即ち、
1つ、神々の争いをこの世界に持ち込まない。1つ、全ての神々は過度にこの世界に干渉しない。
1つ、全ての神々は何か1つ“贈り物”をすること。これらを破らせる事でしょう。
エスハールは神々に世界に干渉させ、「手の届く場所」を構築しようとしたのかな。
そして自ら神になろうとしたのかな。魔族の間でもそういう想いを持つヤツいるし。
それ故、“大罪”とは神に対する言葉だった、と?
とは言え、戦争時、略奪や殺戮、混乱に乗じた権力の掌握など
人々の“大罪”が横行していた事実もある。エスハールの目的云々に関わらず、
【大罪戦争】が人類にとって恥ずべき事だったのは確かなようだ。

しかし「神になる」とは、つまりどういう事なんだろうな。
どうなったら“神”となるんだろうな。全知全能?不老不死?
多分、それを目指した本人も分かってないと思うんだけどな。前例がないんだから。
そんな何か得体の知れないものの為に、よくそこまで人生かけられるなと思うわw

仮に『パラムン』の星詠みのエスハがエスハールと同一人物だとしたら、
彼(彼女?)の言う“神”とは「次元を超えることが出来て、
人間の行く末を見届ける役目を担う者」になる。よってエスハールには、“人間”ではない、
“神”になることで、人間の頚城から脱したい・・・そういう思いが根底にあったのかも。
そうだとしたら、ある意味、魔族と言う存在もそうなのかもしれない。
この世界の人々は様々な想いから、人間の殻を脱ぎたがっている様に思えてきたな。

さて、舞台は都市国家が集まり形成された国サイエントロフ編に入りました。
ここでは白い肌のナクバ族と、黒い肌のルーダ族が争いを起こしていて、
長い間ナクバ族は虐げられているようです。でも、それを良しとしない人間も居た。
のちに疾風革命と呼ばれるそれは、国情を憂う一国の領主ニスロフの下、
介入した魔族と聖教会によって半ば強制的に始まっていた。

ルーファスやデルフィエが、革命を導こうとするのは何故だろうか。
自分達はあくまでも背中を押す立場で、「サイエントロフの人間による革命」に拘る辺り、
その辺に答えがありそうだけどな。西天将はエフルールの政治中枢を麻痺させて、
王家に伝わる魔導具だけではなく、あわよくば占領してしまおうという勢いだった。
この事から、魔族は必ずしも1つの信念で繋がっている訳ではなさそうだ。

一方、聖教会は分かりやすい。シャンヤルル僧院にあるという伝説の魔導具が目的だ。
同時にサイエントロフを魔族や他勢力への牽制の壁に使おうとしている。

他方で、「肌の色如き」に固執しているほかの領主は王の器の底が知れていると言える。
大局を見極められず、己の野心だけを追求し、蒙昧の度を深めている。
凡愚が支配するサイエントロフという駒を巡って、
思惑をぶつけ合う様は最早【大罪戦争】だ。
蹂躙する者とされる者、暗躍する者とそれを止めようとする者、
持つ者と持たざる者・・・“人”の【大罪戦争】はもう始まっている。

賢王への素質がありそうなニスロフと、それを手助けする南天将デルフィエが格好良すぎた。
ニスロフは【幽霊紳士録】によって、洗脳状態にあるといっていいのに、
自分は何をするべきなのかをはっきり見据えていた。【幽霊紳士録】はあくまで
きっかけを与える存在にしか過ぎず、ニスロフは“人形”ではなく“人”として、
“王”として、先を見据え、泰然とする言動にデルフィエは瞠目し、
「あなたには【幽霊紳士録】が効いていない様だ」と心の底から賞賛している。
このやり取りは痺れたなぁ。同時に俺の中で、物語における魔族への見方が変わったわ。

ニスロフは分かっているんだよな。自分が操られて、サイエントロフが魔族に汚されているのが。
そして、魔族が単にこの国を平和にするだけが目的ではないであろう事も。
でも「この国を正しい方向へと導く」この一心の為に、あえて己を犠牲に人形役を買って出て、
同じ国に生きる民族間の悲劇を終わらせようとしている。

エルフール編でもそうだが、渡瀬作品には、自分がどういう立場であれ(それこそ悪であっても)、
中身は腐らず、凛として難事に立ち向かう若者、女性やおっさんがよく出てくる。
その度に読者は震え、作中の心身が若い連中は感化され、物語が一層面白くなるのだ。

今回のセロもそうだろう。自分の狂人化について、もっと動揺し、
葛藤するかと思っていたが、あっさり受け入れて覚悟の強さを見せ付けたやがった。
セロはアルカインが思っている以上に周囲に影響を受けて、いつの間にか強い意志と、
いかなる時も正面に向き合うことの大事さ覚えたようだ。

で、英雄ストラーダの記憶を夢としてみる理由が明らかになったな。
夢の原因はセロが彼の関係者だったからではなく、【還流の輪環】の持ち主だったからだった。
【還流の輪環】を通して過去の記憶を見ているんだな。薬師の才も彼のものらしい。
ただ、肝心な「そもそも何故セロの中に【還流の輪環】があるのか」は不明なんだけど。

ストラーダはセロに何かを伝えたがっている。【大罪戦争】の真実だろうか。
セロは過去と、現在の自分、2つの物事に向き合わないといけないんだよなぁ。
あとルーファスの件もあるしな。セロの運命に横たわっているもん多すぎだろw

相変わらずヤンデレの種を内包しているフィノ。
流石にここまでくると人為的な作用を疑わざるを得ないわw
これはフラグなのか、本当に単にセロの事が好きすぎるだけなのか、
どちらにせよ、彼女の強い想いはいい餌になる事は間違いないよなぁ。
これもセロの難事の1つだよな。まぁこっちは焦る必要な気もするけどw

つーか、セロよりもアルカインが心配になってきました。
シズクにフィノの狂気が伝染してきてるし、ルナスティアもアルカイン狙ってるし、
女難の相がありそうだったセロを通り越して、全部アルカインにいっちゃってますよねw
特に今回なんて、最後のイケメンシーンを覗くと終始、女難に塗れてたしw
これはアルカインが本来の体になった時が楽しみだなぁ。
アルカインも今まで以上に早く戻りたいと思っているでしょうね。
ルナスティアの猫好きはマジでヤバイからな。いざと言うときに、
ルナスティアに捕獲されてて戦闘で使えないなんてこと・・・ないよね?w

一国をも凌ぐ勢力となって、聖教会がきな臭くなってきました。
こういうのって、国だとかもっと大きい存在よりも厄介な場合が多いよな。
「たまたまそこに産まれた」国家への愛国心よりも、
1つの信念や、カリスマ性を持つ指導者の元に集った人々は強固だ。
ましてや聖教会のトップは聖人クラニオン。六賢者の1人だ。
聡明だけど、善人ではないクラニオンからは“大罪”の匂いがする。
しっかし、あれが“聖人”とはなぁ。皮肉で付けられたとしか思えんw

ラストのアルカイン達の口上が良かったですね!
己の正義のみを信じて、目の前の惨劇を引き起こした聖教会への怒りと共に、
魔族との共闘を宣言する・・・魔族がどうやら名前どおりの悪ではないと分かり、
“悪”が霧散してしまった今巻。誰が正義で、誰が悪なのか。
セロの見る夢や、【大罪戦争】の謎を考えるに、事はそう単純ではないようです。

いよいよ各勢力入り乱れてのドンパチ合戦に発展しそうです。
水面下だったモノが浮上する瞬間。これが堪りません。
その時が着々と近づいていると思うと、もう・・・!早く続きが読みたいぜ!

さぁ!みならいくすし(れべる15)、きぞくのむすめ(れべる15)、たかのめのがくし(れべる37)、
ながぐつをはいたまじゅつし(れべる43)、まどうぐのしょうじょ(れべる18)、
とうほうのまじゅつし(れべる32)、まぞくのしょくにん(れべる34)、
しょくにんのいもうとでし(れべる31)と共に新たな冒険の旅に出かけましょうか!
■専門用語一覧
○六賢人
神々の力が宿る魔導具のうち、特に重要な6つの魔導具・神器を預かる者達。
それぞれの神器には世界を一変してしまいかねない力があるので、
それらを持つ以下の6人は王族ですら及ばぬ地位と権力がある。
彼らの弟子となる事は、魔導師として最高の名誉とされる。

【魔神の杖】を預かる魔人ファンダール
【楽神の竪琴】を預かる楽人シェリル
【聖神の石】を預かる聖人クラニオン
【工神の金槌】を預かる工人ナボール
【武神の刃】を預かる武人ホウジョウ
【竜神の角】を預かる竜人カルドラ

○大罪戦争
過去、神器を巡って争われたと思われる戦争。詳しい内容は不明。
大戦は数々の英雄と、歴史に残る名魔導具を生んだ。

○魔族
いわゆる魔界に住む者の意ではなく、何かしらの“洗礼”を受けた魔導師達の総称。
魔族となると魔導具への異常な執着心と共に、魔力が飛躍的に高まり、
高レベルの魔導具を扱う事も可能となる。例えば、普段はメラ級の火力である
【火起こしの枝】であるが、魔族が使用するとメラゾーマ級の火力となって放たれる。
反面、それと引き換えに当人にとって“大切な何か”を失うようで、一般に精神的にアレな
性格になる事が多いようだ。彼らは何かの目的の為に動いているらしいが・・・?

○天将
上級魔族を示す贈り名の1つ。現在、西天将ルナスティア、
北天将ルーファス、南天将デルフィエの存在が判明している。

■魔導具一覧
名称=還流の輪環(ソリッド・トーラス)
効果=対象物の反物質を精製し、莫大なエネルギーと共に相手に反す魔導具殺しの秘宝。
    その万能さから「実在しない妄想の産物」と言われていたが、セロの体内にある事が判明。
    神や生命の否定・・・世界の理すら変えてしまいかねないその力から、魔族が狙っている

名称=魔神の杖
効果=魔神オルライドが所持していた大いなる創造の力を齎す神器の1つ

名称=楽神の竪琴
効果=多くの人の心を動かすことが出来る楽神レティアーヌが紡いだ幻想の竪琴

名称=聖神の石
効果=聖神イスカの祝福そのものが込められたとされる聖石。具体的な効果は不明

名称=工神の金槌
効果=万物を鍛えなおすことが出来る工神ニルヴァリオの金色の槌

名称=武神の刃
効果=あらゆる物を切り裂くことが出来る武神セシューの刃。それは見えぬものとて例外ではない

名称=竜神の角
効果=“贈り物”を送る際、竜神ドラウケラス自らが折った竜の角。具体的な効果は不明。
    神であるドラウケラスのこの行為によって、ドラゴン族はこの世界で最も尊い生物とされる

名称=火起こしの枝
効果=竈の日をくべる際に使用する最も基本的な魔導具の1つ。
    この世界に住む人間はセロを除き、使えるのが当たり前である

名称=夜魔の灯
効果=【火起こしの枝】と同じく最も基本的な魔導具の1つ。
    こちらの世界で言うランタンの様なもので、夜道にはかかせない

名称=乾いた砂(バゼン)の壷
効果=室内の水気を取る除湿用の魔導具

名称=天球木馬
効果=普段は小さいただの木馬であるが、一度魔力を込めると1人乗りの木馬へと変化する。
    この木馬は地上より少し浮いている為に、ある程度物理法則に左右されない。
    フィノの愛馬であり、彼女はこれを駆ってたびたびセロを連れ回している

名称=飛天の籠
効果=空を飛ぶことが出来る籠。しかし膨大な魔力を消費する為、魔族以外は扱えない

名称=浮遊庭園
効果=一度に軍隊クラスの容量を運んで空を飛ぶことが出来る雲状の魔導具。
    世界に3つしかない貴重な魔導具で、クラニオンやシェリルが所有している

名称=鉄心の聖騎士(アイアン・ソウル)
効果=クラニオンが統べる聖教会所有の巨大な魔導人形

名称=銀雪の守護騎士(シルバー・スノウ)
効果=工人ナボール自身が操る魔導人形の傑作

名称=フランシスカの盾
効果=【大罪戦争】の英雄の1人フランシスカが使用した盾を模した魔導具。
    体に迫る矢などの飛来物を半自動的に防御する

名称=霧雨の刺突剣(エストック)
効果=先端が無数の針の様に分裂するエストック。
    ロンドロンド騎士団団長アリスが愛用する武器である

名称=四精の手槍(スピリチュアル・スピア)
効果=地水火風に応じた属性を吸収出来る万能の槍。
    ロンドロンド騎士団副団長ルイスが愛用する武器である

名称=生命の布(ライフセイル)
効果=魔力を回復力に置換する魔導具

名称=昏倒の香水
効果=吹きかけた対象者を浅い眠りへと誘う文字通りの魔導具。
    フィノが携帯する魔導具の1つで、煩く言う使用人に吹きかけているご様子

名称=純水の細剣
効果=フィノが扱う刃が水で形成されたレイピア。刃が水故、不定形で鞭型にも出来る。
    雷系統の魔導具に強く、使い方によっては無力化することさえ可能

名称=オルタフの種
効果=フィノの盲目を治した魔人ファンダール作成の光神オルタフの力を宿す高レベルな魔導具。
    効果は治癒だけに留まらず、瞳を通し相手の悪意や害意を敏感に感じ取れるようになる。
    しかし、強力な魔導具故に、フィノの精神(主に狂気)に作用してしまうようだ

名称=蛇の鍵
効果=鍵穴によって形状を自由に変化させる事が出来る万能の鍵

名称=学士の覚え書き(メモ)
効果=多くの情報を記憶できる紙型の魔導具。
    読みたい時に、読みたい情報を出現させる事が出来る

名称=地縛手(アーシーズハンド)
効果=相手の動きを封じる魔力の手

名称=地脈の守人(ゴーレム・ワンド)
効果=泥人形を生成したり、壁を形成したりと土を自由自在に扱える。
    土のある場所でしか使用する事は出来ないが攻守に優れた魔導具。
    ハルムバック愛用の魔導具で、アルカインを苦しめた

名称=吸魂の指輪
効果=対象の魔力を削り取る魔性の指輪。魔族が使用すると生命力を根こそぎ奪う事が出来る。
    ハルムバックのミドルネーム・ソウルイーターの所以となっている魔導具である

名称=エルムスの警鐘
効果=鐘楼神レティスマの力を用いて対人感知を可能とする魔道具。
    ただし設置者本人しか分からない

名称=獣避けの鐘楼
効果=獣が嫌う音波を発し街に寄せ付けない効果がある。大型の獣ほど効果が高いが、
    効果は地脈に左右され完全な円形ではない為、それを考慮して設置場所が決められる。
    また1人用として【獣避けの鈴】があり、森に入る事が多い狩人などが愛用している

名称=真夜中の白柱
効果=【夜魔の灯】を大型化した侵入者を照らし出す警戒用の魔導具

名称=凱歌の祝砲
効果=本来は慶事の撃たれる祝砲。窮地を知らせる狼煙の代わりにも使える

名称=共鳴の石
効果=持っている者同士、遠隔対話が可能となる魔導具

名称=アラクナの糸
効果=埋め込んだ当人が見聞きした事を、送信するスパイ操作用の魔導具。
    裏切りが懸念される魔族はこれが埋め込まれている

名称=輝線の豪弓
効果=マリアンヌ工房作の強い貫通力を秘めた弓

名称=霧の猟犬(ミスト・ハウンド)
効果=街の名前の由来にもなっている、霧の猟犬を使役する事が出来る攻撃型の魔導具。
    使用者のオルドバは2匹だったが、魔族になると10匹ほど使役する事が出来るようだ

名称=睡魔の鈴(スリーピー・ベル)
効果=対象を眠らせる鈴

名称=風読みの触覚
効果=周囲の気配を探る索敵用の魔導具

名称=赤炎の剣
効果=王立魔導騎士団の騎士に支給される攻撃型魔導具。斬撃時に炎が噴出する

名称=狼狩りの弓(ウルフハント)
効果=王立魔導騎士団の騎士に支給される攻撃型魔導具。
    これは弓自体に魔力を蓄積して射出する為、なかなかの威力がある。
    しかし一度残量が空になってしまえば、蓄積までに数日かかってしまう

名称=駿馬の軍靴(サラブレッド・ブーツ)
効果=王立魔導騎士団の騎士に支給される補助型魔導具。馬の様に速く走る事が出来る

名称=巡礼者の靴(ピルグリム・ブーツ)
効果=足の負担を軽減する旅人には必須の靴型の魔導具

名称=春雷の弓
効果=矢の変わりに雷を飛ばすことが出来る弓矢。基本的な威力は低い

名称=雷精の筒(ネムエルズ・シェル)
効果=投げつけると閃光を発する使い捨ての魔導具。主に目くらましに使用される

名称=雷獣の大鎌(ネムエルズ・シックル)
効果=ハルムバックの副官エルシーが愛用していた雷電を自在に操る鎌型の魔導具。
    雷神ネムエルそのものの力を宿す事が可能な為、非常に強力。
    雷に強い【純水の細剣】でも無力化する事は出来なかった

名称=紫雷砲(ネムエルズ・カノン)
効果=【魔窟の音叉】を失ったバルマーズが新たに入手した強力な魔導具。
    魔力を雷気に変えて放出する事が可能で、その形状は網目だったり凝縮させたりと、
    自由自在である。尚、威力は使用者の魔力に比例して向上する

名称=蛇身刀
効果=刀身自体が自在に動く“転瞬の舞姫”ラダーナ・ソードダンサー・カリグの愛刀。
    例え斬撃を受け止めても、刀身が死角より襲ってくるので避けるのは困難である

名称=告死鳥の靴
効果=“転瞬の舞姫”が“転瞬の舞姫”たる所以となっている魔導具。
    相手との間合いを一瞬で詰めたりと、人外の速度で動き回ることが出来る

名称=凶炎の篭手(フレア・タスク)
効果=クリムド愛用の炎が噴出す手甲。発する炎は生き物の様に相手を穿つ

名称=魔窟の音叉(スフのフォーク)
効果=楽神レティアーヌがもたらした聖なる音叉を基に作られた強力な魔導具。
    動天のバルマースの切り札で、耳には聞こえない音で三半規管を麻痺させる。
    その効果は凄まじく、耐性を得た魔族が喰らっても立つことが困難なほど。
    ただし敵味方作用してしまうので、場合によっては不利になる事も

名称=擬態の風船(ミミックバルーン)
効果=姿形を真似ることができる風船。感覚が鋭敏な者には効果が薄い

名称=千変万化の記憶
効果=記憶を改竄させる禁忌の魔導具。当然作成も所持も禁止されている

名称=袋小路の袋
効果=捕縛用の魔導具。上位の職人になると麻痺や睡眠を付加する事が出来る

名称=隠身の外套(ハイドコート)
効果=身を隠すことが出来るマント。主に暗殺に用いられる

名称=白の籠守(パナンゾロン・スノウ)
効果=大罪戦争の時に女傑ルチアナが使用した白銀の鎧を纏うことが出来る魔導具。
    見た目とは裏腹に素早く動くことが出来、現在ではエルフール王家の物となっている

名称=暗い森の竪琴
効果=現在は所在不明であり効果は分からない

名称=クラムクラムの羅針盤
効果=エルフール王家に伝わる秘宝中の秘宝。
    この世界から去った神々の行き先が示されるらしいが・・・

名称=鍛冶屋の大槌(ルールーブ・フィスト)
効果=攻城兵器としても用いられるほどに強力がハンマー。
    魔力を込めることで威力は飛躍的に上昇する

名称=防壁の懐剣(ディフェンシブ・ダガー)
効果=魔法の盾を出現させる攻防一体の短剣

名称=紅蓮の種(ブレイズ・シード)
効果=投げつけると炎を発する使い捨ての魔導具。敵の牽制に重宝される

名称=黒狼の鈴
効果=獰猛な黒狼を操る魔導具

名称=三界の祝福
効果=北天将ルーファスが扱う高度の魔導具。空を飛ぶ時は金色の鳥に、
    海を渡る時は竜に、地上を駆る時は獅子に変化する事が出来る、
    まさに3つの世界を統べるに相応しい力を持つ

名称=鳥目の石版
効果=作り物の鳥を飛ばして、その視界に見える景色を映し出す石版

名称=風斬りの指揮棒(タクト)
効果=ゼルトナート作の魔導具。タクトを振る事で任意の場所に真空の刃を作り出す。
    扱いが難しく失敗作と言われたが、最上位魔族であるルーファスが扱うと
    半径100メートルを細切れにするするほどの破壊力を生み出す強力な魔導具となる

名称=幽霊紳士録
効果=南天将デルフィエが持つ強力な魔導具。
    本の中に眠る寄生精神を取り憑かせ、人心を操ることが出来る。
    単に操るのではなく、術者の意志を潜り込ませる反面、
    対象者の意志を増幅させるので、操られた本人はそれに全く気付かない

名称=バウリィの人形遊び
効果=チェスに似た盤上遊びバウリィを模したミュールストン愛用の魔導具。
    20体の魔導人形を収めた魔導具で、盤面自体がその制御装置となっている

名称=猫太鼓
効果=東方の玩具であるでんでん太鼓を模した魔導具。
    猫を呼んで懐かせるという能力があるが、アルカインにはあまり効果はない様だ

名称=百眼蜘蛛の巣(コムルズウェブ)
効果=対象を捕縛する投網の様な魔導具

名称=灼熱蜘蛛の巣
効果=高熱を持った魔力の捕獲網。必要以上に対象を傷つけるので準禁制品とされる

名称=ハタニアスの豪風
効果=雲を発生させ局地的な嵐を起こすことが出来る魔道具

名称=旅の終わりの森
効果=古代の民達が、自らの隠れ家として定めた終焉の地。
    鏡面作用という特殊な力を用いて、広大な地域をすっぽり覆い隠してしまう

名称=樹兵ナシュレイ
効果=強大な樹木に覆われた魔力で動くロボットの様な存在。
    しかし見た目とは裏腹に本質は純粋な力であり、樹では無い。
    故に火に弱いなどの弱点は無く、召還主が倒れない限り倒すことは不可能

名称=神珠
効果=人以外の魔力の媒体となるエネルギーの塊。非人間である魔導人形が
    魔導具を扱えるのは神珠があるからである。またティアネスの命そのもの

名称=銀月の幻影
効果=人の目では見えないほど遠くの物、小さいものを見抜く他、
    魔力の本質や流れ、痕跡を見ることが出来るホークアイ作成のメガネ

名称=四重奏の戦輪(チャクラム・カルテット)
効果=シズクが駆る投擲物型の魔導具。円月輪のような武器で、
    遠方からの打撃から光の刃による斬撃まで可能な万能武器

名称=マリアンヌの道具袋
効果=空間を拡張する事が出来る非常に稀有な魔導具。
    いわゆる四次元ポケットで、アルカインはこれを愛用している

名称=蝙蝠のサバト
効果=大量の蝙蝠を操る事が出来る魔導具。主に牽制用らしい

名称=サーベリオンの槍
効果=ハイヤード工房作。強力な獣の力を内包している
    現在は、クリムド愛用の武器となっている

名称=裁きの魔竜
効果=ハイヤード工房の職人メルルーシパが駆る竜型の魔導人形

名称=ハイヤードの傀儡
効果=名門ハイヤード工房で作られた稀代の名作と謳われる魔導具。
    魔導人形を操る為の人形で、所持者であるルナスティアが使うと非常に強力

名称=闇の塊
効果=暗黒神トライハルトの力の結晶で、闇系統の魔導具の力を爆発的に高める事が出来る。
    闇系統を得意とするアルカインが持った時の真価は計りしれないものがある

名称=夜を覆う外套(コート・オブ・ナイト)
効果=アルカインが纏っている夜色のマント。マントの奥は別の場所に繋がっており、
    吸い込まれた物はその場所に吐き出される。主に防御用の魔導具

名称=黒のケーキナイフ
効果=決して折れる事がないケーキナイフ。どんな名剣でも剣戟すると折れてしまうは
    向こうの方である。アルカインが近接時に使用する。切れ味も抜群

名称=闇語りの笛
効果=異界の闇を呼び寄せる魔導具。召還された闇はあらゆるものを飲み尽くす。
    囚われると一生の闇の世界から出られない。相手に攻撃は勿論、防御撤退する事すら
    許さないケタ違いに強力な魔導具。ただし消費する魔力も大きい

名称=星天の箱庭
効果=世界各地に散らばった六賢人が集う為の擬似的な会議の場作り出し魔導具

■確認できた元ネタと思われる【迷宮神群】一覧
光に向かう獣ネムエル
虹の屍オルタフ
双頭の女神の右クティカ
双頭の女神の左シュティカ
長くのたうつ女神アラクナ
稲穂の姫コリン
青雲の息吹ハタニアス
千界の鍛冶師ルールーブ
瑠璃の都の鐘打ちレティスマ
蔦をまとった僧兵ナシュレイ
鋼鉄の籠守パナンゾロン
魔窟の笛吹きスフ
至高の運命神シュラク
至高の裁定神ハタニフ
砂に埋もれた心臓バゼン
宝の森の占い師クラムクラム
古の神具職人マリアンヌ(非【迷宮神群】)

【迷宮神群】とは、同作家の『パラサイト・ムーン』に出てくる人に異能を与える存在。
彼らはある世界から迷宮を彷徨うが如く地球に渡ってきたとの記述があるので、
もしかしたら『輪環の魔術師』の世界がその“世界”なのかも?
ネムエルが両方の作品で雷がキーワードになっているあたり、
ただ名前が一緒ってだけだとは思えないんだが・・・。
関連記事

テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック